キム・ナムギル主演の新作アクションスリラー『トリガー』がNetflixで独占配信中だ。キム・ナムギルと言えば、『熱血司祭』シリーズで、聖職者でありながら、熱しやすくすぐに手がでてしまうキム・ヘイルを熱演し、人気を博した。同じアクション作品とはいえ、本作『トリガー』では、軍人時代のトラウマと戦いながら、正義のために再び銃を手にする冷静沈着な警察官を演じている。(以下、一部ネタバレを含みます)
■キム・ナムギル主演Netflix『トリガー』見どころは?謎の男役はキム・ヨングァン!
●『トリガー』あらすじ
イ・ド(キム・ナムギル/『熱血司祭』シリーズ)は、市民には真心で接し、犯罪者には厳しく対峙する、正義感の強い警察官だ。軍隊でスナイパーとして活動していたころのトラウマで、銃を撃つことを嫌い、勤務でもテーザー銃(スタンガン)を携帯している。
ある日、受験生が住む寮で、銃の乱射事件が発生する。生活ルールを守らない寮の住人たちにいら立つ公務員試験浪人生(ウ・ジヒョン/『今、私たちの学校は…』)が犯人だったが、使用された銃と弾丸は、何者かにより宅配で届けられたものだった。
イ・ドたちが捜査を進めるなかで、他にも多数の人間に不法な銃器が宅配されていることが明らかになる。受取人に共通するのは、法律では解決できない問題を抱える社会的弱者であること、そして、標的となるのは社会的強者だ。
果たして、何者が何の目的で銃器を送り付けているのか。捜査の過程で出会い、イ・ドに協力する謎の男、ムン・ベク(キム・ヨングァン/『愛だと言って』)の正体を探りつつ、イ・ドたちの懸命な捜査は続く。
●『トリガー』見どころ
ストレスにより自分を見失いがちな現代社会のなかで、誰もが心の中の善と悪との葛藤に悩み、苦しむ時代である。本作では、同級生から陰湿ないじめに遭っている高校生(ホン・ミンギ/『愛は一本橋で』)、そして過労により息子を失い、勤務先の社長に謝罪を求める母親(キル・ヘヨン/『巫女と彦星』)など、法による解決を望むことができない弱者たちの悲痛な叫びが、クローズアップされている。
そして、そんな弱者たちが銃を握った瞬間に、憎む相手への殺意を抱き、犯罪者へと変わってしまう可能性がある。手にした銃器を前に、心のトリガー(引き金)を引かずに持ちこたえることができるのか。それは、正義vs心の中の悪魔との戦いである。視聴者側も、ともすれば「弱者が憎む犯人を撃ち殺してくれたら、すっきりするのに」という危険な感情を抱いてしまう。
ムン・ベク役のキム・ヨングァンがあるインタビューで語っていた通り、本作では、視聴者に心のトリガーを引くか否かの選択が委ねられている。銃を持たない国が銃社会へと変貌していく可能性も含めて、深く考えさせられる社会派ドラマだ。
演出は、脚本も担当したクォン・オスンと、キム・ジェフンの共作である。

●配信情報
Netflixシリーズ『トリガー』独占配信中
[全10話/2025年]演出・脚本:クォン・オスン『殺人鬼から逃げる夜』(映画)、脚本:ソン・ヘジン
出演:キム・ナムギル『剣の詩』『悪の心を読む者たち』『熱血司祭』シリーズ、キム・ヨングァン『サムバディ』『愛だと言って』『初対面だけど愛してます』、パク・フン『優しい男の物語』『ハルビン』(映画)、キル・ヘヨン『TRY~僕たちは奇跡になる~』、キム・ウォネ『トラウマコード』『貞淑なお仕事』『熱血司祭』、ウ・ジヒョン『京城クリーチャー』『今、私たちの学校は…』、イ・ソク、アン・セホ、ヤン・スンリ、パク・ユノ