Netflix配信中の『エスクワイア : 弁護士を夢見る弁護士たち』が国内人気ランキング上位に入るなど、注目を集めている。韓国トップクラスのユルリム法律事務所に入った新人弁護士のカン・ヒョミン(チョン・チェヨン)は能力はピカイチだが、社会人としては不慣れな点が多い。上司となるのが訴訟チーム長のユン・ソクフン(イ・ジヌク)。裁判を勝訴に持ち込むプロ中のプロだが、無駄口を一切しない寡黙な孤独人。以上の2人が難しい訴訟案件に取り組んでいく。(以下、一部ネタバレを含みます)

■Netflix『エスクワイア : 弁護士を夢見る弁護士たち』4話、イ・ジヌク扮するクールな上司が見せた別の側面

 本作は複雑な訴訟案件を描きながら、同時に、訴訟チームのメンバーたちのプライベートな部分にも踏み込んでいる。弁護士は依頼人が抱えている傷を癒す役目を持っているが、当の弁護士たちも過去の出来事で様々な傷を負っている。ドラマはスキのない展開で、登場人物の「公」と「私」という二つの側面を描いていく。

 第4話は特にワクワクさせられる物語だった。依頼人である企業代表の児童虐待に関わる話である。企業代表は家政婦から自分の娘への虐待を告発されて苦慮していた。彼は、ユルリムに対して有利な契約条件を提示しながら、ソクフンを指名して個人的な訴訟案件の解決を願っていた。

 ソクフンは、相手の言動を通して心の中を見通す達人だ。彼は「企業代表が信用できない人物であること」「娘を虐待している可能性が高いこと」を見抜いていた。ただし、家政婦の訴えをそのまま受け取るわけにはいかない。依頼人は企業代表であるからだ。

 ソクフンは、まず自分の仕事に徹する。家政婦に前科があることを背景にして、告発している児童虐待が虚構であることを彼女自身に認めさせる。そうやって依頼人の有利な状況を作っていった。

 企業代表から称賛されたソクフン。しかし、彼はそのままで終わらせなかった。忙しく動き回って、金融の専門家などからもいろいろな資料を集めていた。その末に、ついにソクフンは実力行使に出る。企業代表が児童虐待を繰り返していることや不正な投資を行っていることを明確にして、彼から娘を引き離して治療に向かわせた。

 娘は命に関わる病状だった。怒りを募らせたソクフンは、弁護士でありながら拳で企業代表を痛めつける。この展開には驚いた。クールなはずのソクフンが、まさか感情を爆発させて依頼人を殴るということは想像もできなかった。そこまでソクフンは熱い男なのである。

 そんな彼の本当の姿を知って、ヒョミンは一気に感情を揺さぶられる。まさか、恋心が芽生えたのか?