燕山君の母・尹氏(ユンシ)は、9代王・成宗(ソンジョン)の二番目の妻だった。成宗の母・仁粋大妃の怒りによって1482年に死罪にされている。
「側室を呪詛(じゅそ)した」「毒薬を保持していた」「成宗の顔を引っかいた」といった不祥事を重ねた尹氏が自ら墓穴を掘ったことは確かだが、もともと彼女を嫌っていた仁粋大妃の強権発動も王妃死罪事件に結びついていた。
こうした史実を巧みに取り入れて、『暴君のシェフ』は興味深い歴史劇にもなっている。
「華やかな料理の数々」「主役イム・ユナの魅惑的な存在感」「暴君に扮したイ・チェミンのイケメンぶり」「胸がときめくストーリー」などが人気を博す要因になっているが、歴史を重厚に描いた物語も本当によく出来ている。

●配信情報
Netflixシリーズ『暴君のシェフ』独占配信中(毎週土・日更新)
[2025年/全12話]演出:チャン・テユ 脚本:fGRD
出演:イム・ユナ(少女時代)、イ・チェミン、カン・ハンナ、チェ・グィファ、オ・ウィシク、ユン・ソア、イ・ジュアン、パク・ヨンウン、キム・グァンギュ、ホン・ジンギ