■同じ刑事でも『エクストリーム・ジョブ』のときとはまったくの別人、イ・ドンフィ(1985年生まれ)

 韓国にはカメレオン俳優と呼ばれる役者が少なくない。古くはアン・ソンギソル・ギョング、新しくはチュ・ジフンソ・イングクイ・ジュニョクあたりだろうか。

 ある作品でその人に出会うと、どこかで見た顔だが、他のどんな作品に出ていたのか思い出せないくらいその役で強い印象を与える俳優たちだ。

 本作のイ・ドンフィもそんな一人。本作では、ポマードで頭髪を整えた田舎刑事でありながら、どこか色気があり、悪事に手を染めることも厭わない魅力的なキャラクターだった。比較対象作品は1,600万人以上を動員した歴代2位の大ヒット映画『エクストリーム・ジョブ』。イ・ドンフィの役どころはリュ・スンリョン扮する班長率いる麻薬捜査班の一員で、七三分けのヘアスタイルに鼻の下のヒゲが野暮ったく、二者がまったく結びつかなかった。

『パイン ならず者たち』ディズニープラス スターにて独占配信中 (C) 2025 Disney and its related entities

 余談だが、『エクストリーム・ジョブ』はなかなかの名優製造所だったとあらためて思う。主演リュ・スンリョンの活躍は言うまでもないが、刑事どうしで熱烈なキスを交わしたイ・ハニチン・ソンギュは、Netflixエマ』では敵役を熱演。若手刑事役のコン・ミョンは、映画『市民捜査官ドッキ』で準主役、Netflix映画『告白ヒストリー』で主演、Netflix映画『夫たち(原題)』で準主役を張っている。そして、イ・ドンフィは、『パイン ならず者たち』に出る前に、『捜査班長 1958』『カジノ』『犯罪都市 PUNISHMENT』などで準主役級を射止めている。

『パイン ならず者たち』ディズニープラス スターにて独占配信中  (C)2025 Disney and its related entities

●配信情報

『パイン ならず者たち』ディズニープラス スターにて独占配信中

[2025年/全11話]監督・脚本:カン・ユンソン 『カジノ』シリーズ、 『犯罪都市』(映画) 脚本:アン・スンファン『取り戻せない~失われた真実~』(映画)

出演:リュ・スンリョン『エクストリーム・ジョブ』(映画)『ムービング』、ヤン・セジョン『愛の温度』『浪漫ドクター キム・サブ』、イム・スジョン 『メランコリア〜僕らの幸せの方程式〜』『ごめん、愛してる』、チョン・ユンホ東方神起) 『私たちの人生レース』 『メロホリック』、キム・ウィソントラウマコード』『W-君と僕の世界-』、キム・ソンオ庭のある家』、イ・ドンフィ『捜査班長 1958』、キム・ジョンス『ムービング』

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