そのときの晋城大君は18歳。慈順大妃はまだ若すぎることを危惧したのだ。しかし、クーデターを成功させた重臣たちは、粘り強く慈順大妃を説得した。その結果、彼女が承諾して晋城大君の即位が決まった。

 王宮の正殿において、慈順大妃の教旨が発布された。

「不幸にも国王が守るべき道理を著しく逸脱し、民が貧困に窮した。大臣たちが朝廷を大事に思い、廃位を望んだ。晋城大君は仁徳があり、民心も彼の即位を望んでいる。これによって朝廷が危機から脱して安定を取り戻すだろう。これほどうれしいことが他にあるだろうか」

 推挙された晋城大君は11代王・中宗(チュンジョン)となった。慈順大妃は我が子を王位に就けて、最良の喜びを感じたことだろう。

 こうした経緯を持つ慈順大妃は、『暴君のシェフ』においてチャヒョン大妃のモデルになっている。両者の立場は本当によく似ている。

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●配信情報

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[2025年/全12話]演出:チャン・テユ 脚本:fGRD

出演:イム・ユナ少女時代)、イ・チェミン、カン・ハンナチェ・グィファオ・ウィシク、ユン・ソア、イ・ジュアン、パク・ヨンウン、キム・グァンギュ、ホン・ジンギ