トンイ』『ムービング』などの活躍で知られるハン・ヒョジュが、9月17日から釜山市内で開催されている第30回「釜山国際映画祭」に出席し、Netflix配信される最新ドラマ『匿名の恋人たち』(10月16日独占配信開始)の撮影を振り返った。

 今年期待されるドラマを集めた同映画祭の「オンスクリーン部門」に正式招待された同作。ステージにはハン・ヒョジュのほか、日本の俳優・小栗旬と月川翔監督が並び立ち、日韓トップ俳優がタッグを組んだ同作を熱くPRした。

ハン・ヒョジュと小栗旬、日韓トップ俳優がタッグ!大人の恋を描いた甘いロマンチックコメディ『匿名の恋人たち』

 天才ショコラティエのハナ(ハン・ヒョジュ)はある日、大手菓子メーカーの御曹司である壮亮(小栗旬)に出会う。2人はチョコレートへの愛を通して心を通わせるが、極度に内気なハナは人と目を合わせられない。また、壮亮は他人に触れることができない、というストレスを抱えていた。

 そんな2人がさまざまな困難を乗り越えながら甘い恋愛を育て大人として成長していく物語。同作(英題『ロマンティクス・アノニマス』)は2010年のフランス・ベルギー合作映画が原作。『毒戦 BELIEVER 2』『ザ・コール』『20世紀のキミ』『ロ・ギワン』などを手がけた韓国の映画制作会社ヨンフィルムが、同社初の日本シリーズとして手掛けている。

■ハン・ヒョジュが語った役作り「視線が怖い、という悩みは誰もがかかえている」日本語セリフへの苦労も

 19日に行われたワールドプレミア上映では、ハン・ヒョジュと小栗旬が公の場で初めてツーショットを披露。釜山国際映画祭に初めて参加した小栗は、「こんにちは。この作品で釜山国際映画祭に参加できてうれしいです。サランヘヨ!(愛してます)」と韓国語を交えながらあいさつ。小栗の韓国語を隣でサポートしたハン・ヒョジュはデニムに白いシャツという清楚なファッションで、その爽やかなオーラに観客は魅了されていた。

 “視線恐怖症”を抱える天才ショコラティエという難役に挑んだハン・ヒョジュは、「“視線が怖い”という悩みは実は誰もが少しずつ持っているんだと思います。私も長年俳優として活動していますが、演技しているときよりも“ハン・ヒョジュ”として人前に立つほうが緊張しますし、逃げ出したくなる瞬間がたくさんある。そんな気持ちをハナに投影することで役作りをしました」と打ち明けた。

 小栗が演じる御曹司は“人に触れられない”潔癖症という人物。小栗は「温泉に入るシーンについて、他の人が入浴したかもしれない温泉の湯の中に入ることができるのか、などのテーマについて撮影現場でスタッフと真剣に議論しました」と役柄に徹底的に没入した様子を語った。

 一方、日本語のセリフに挑戦したハン・ヒョジュは、「母国語の韓国語で話すのに比べて2倍、3倍のエネルギーを使いました。ハナは10年ほど日本で暮らしたという設定なので、それぐらいの期間を日本で過ごした韓国人女性がどのような日本語を話すのか。月川監督や日本語を指導してくれた先生、小栗さんとも相談しながら努力しました」と、細部まで気を配った撮影現場を振り返った。 

釜山国際映画祭の野外ステージでトークを展開した右からハン・ヒョジュ、小栗旬、月川翔監督(C)Busan International Film Festival