現代から朝鮮時代にタイムスリップしたシェフが、グルメで知られるときの王の胃袋を掌握! ときめきのロマンスと陰謀の顛末を描くファンタジーロマンス『暴君のシェフ』がNetflixで大ヒット中だ。

 イム・ユナ少女時代)演じる待令熟手〈テリョンスクス〉が作る料理の数々、とびきりの笑顔が世界を虜にし、美食家のツンデレ王イ・ホン役イ・チェミンにときめいた本作で、彼らとともに輝きを見せたイケメンたちを紹介したい。(以下、一部ネタバレを含みます)

■少女時代「Gee」の振り付けを使ったアドリブ演技に話題沸騰!ワイルドな魅力を放った美男芸人コンギル

 まずはなんといっても、新鋭イ・ジュアン演じる謎多き芸人コンギルだろう。初登場した第3話で、彼を見たヨジン(イム・ユナ)が『王の男』のコンギルと気づくシーンはニヤリとさせられた。

 コンギルは、燕山君時代にいた道化(大道芸人)だ。老いた士〈ソンビ〉に扮して『論語』の一節を引用したセリフが王の逆鱗にふれ、鞭打ちされたのち流刑されたと記録されている。映画『王の男』では、女性以上美しい人物として描かれ、妖艶に演じたイ・ジュンギがブレイクしたあの人物だ。

 本作では、日焼けをしたワイルドな風貌で登場。敵か味方かわからない謎が多き存在だった。そんなコンギルがジヨンをからかうシーンで、少女時代の名曲「Gee」の振り付けを使ったことが話題に。撮影前日に少女時代の動画を見ながら思いついたというこのしぐさは、ポジティブなエネルギーとユーモアにあふれていた『暴君のシェフ』の名シーンのひとつだ。

 軽やかな身のこなし、売れっ子芸人姿はもちろん、神出鬼没でヨジンのピンチを軽やかに救う姿、そして、妹の死の真相を知り、本当の意味でホンの大事な懐刀となっていく様子も素敵だった。

 コンギル役のイ・ジュアンは1996年生まれで、現在29歳。社会現象を巻き起こした2018年の『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』のジュナム大学病院医師役でデビュー。その後は、『約束の地~SAVE ME~』『女神降臨』『スノードロップ』などに出演し経験を積む。

 2023年にはバラエティ番組にも挑戦。ジェジュンSEVENTEENのメンバー、ジョンハンやディノらイケメン7人でフランスをめぐる旅バラエティ『魔法のランプ―イケメン旅行記 in France―』では、人見知りが多いメンバーのなか、唯一の外向的キャラとして、スタートからメンバーたちのつなぎ役、ムードメーカーとして活躍している。

 初の時代劇『王の愛 ウォル~幻想恋歌~』(2024年)では、ヒロインであるヨン・ウォル(ホン・イェジ)が属する刺客集団「風刀」の一員ハランを好演。このときもカールした長髪姿がよく似合っている。

 もともとピアノに親しみ、ヨガ、クライミング、声楽なども楽しむ多趣味な人物であり、コンギルを演じるにあたっては、バレエやパンソリ(伝統芸能)、アクロバットも習ったそう。そんな元来のアクティブなところとキャラクターがベストマッチ! 新たなコンギル像を作り上げた。今後も俳優イ・ジュアンの当たり役として、記憶に残るだろう。