韓国ミュージカルを映画化した『フランケンシュタイン:ザ・ミュージカルライブ』が、韓国で上映中だ。韓国創作ミュージカルとして10周年を迎えた2024年の同公演を映像化したものだ。先日、ソウル江南(カンナム)区にあるCOEX内の映画館で同映画を観賞した。

 主演の科学者、ビクター・フランケンシュタインはSUPER JUNIORキュヒョン、彼の親友で、ビクターの研究を手伝うアンリ・デュプレには、『マジソン郡の橋』や『ジーザスクライストスーパースター』などに出演し、韓国ミュージカル界で人気が高いパク・ウンテが演じている。

■キュヒョン、パク・ウンテ共演『フランケンシュタイン ザ・ミュージカルライブ』の魅力

 舞台は19世紀のヨーロッパ。幼い頃に両親を亡くしたビクター(キュヒョン)は、永遠に死なない人間を作る研究に没頭する。ビクターが戦場で命を救った医師のアンリ(パク・ウンテ)も、ビクターの研究に加わる。そんななか、アンリは、殺人の罪を問われたビクターを救うため、身代わりとなり命を落としてしまう。

 アンリを蘇らせるため、ビクターは、自ら発明した再生マシンにアンリの亡骸を入れ、スイッチを押す。しかし、誕生したのは、凶暴な「怪物」(パク・ウンテ)だった。その場から姿を消した怪物だったが、自分をそんな姿にしたビクターに復讐するため、ビクターの前に再び姿を現す。果たしてビクターは、アンリの面影を残す怪物をコントロールすることができるのか。

『フランケンシュタイン』の魅力は、6人の出演者が2役を演じる点だ。アンリが怪物となってしまう後半では、怪物を捕らえた輩が、金儲けのために格闘場で怪物と人間を戦わせる場面が登場する。キュヒョンが格闘場の経営者を演じるほか、格闘場にかかわる人物として、ほか5名の俳優陣が前半とは別の役を演じ分ける。

 映画でミュージカルの舞台を表現できるのか、と疑問を抱く人もいるかもしれない。しかし、複数のカメラワークを駆使し、様々な角度から映し出される映像が、舞台を観覧するのと同じくらいの、場面によっては、ミュージカル以上の臨場感を醸し出してくれる。

 当然のことながらオール韓国語だが、俳優陣の表情をアップで見ることができたり、見るべきポイントがクローズアップされたりすることで、存分にその世界に没頭できる。また、歌詞が韓国語字幕で表示されるのも、ストーリーを把握するうえで、かなりの助けになる。

 また、キュヒョンは、現在日本で上映中の「韓国ミュージカル ON SCREEN『ファントム』」で主演のエリックを演じている。こちらは、日本語字幕付きなので、韓国ミュージカル未体験の人も含め、是非その魅力を日本でも堪能してほしい。