それでも、王族女性たちの感情は非常に複雑だった。そういう王宮で育ったということが、燕山君の人格形成に暗い影を落としていたのは間違いない。
『暴君のシェフ』では、国王イ・ホンが亡き母を心から偲ぶ場面が何度も出てくる。史実の燕山君もきっと同じ気持ちであったことだろう。
亡き母が廃妃に追い込まれた当時のいきさつを後に知った燕山君は、逆上して暴虐な振る舞いに至った。
このような虐殺事件を引き起こした燕山君は極悪な国王として歴史に汚点を残したが、『暴君のシェフ』では、「寂しい燕山君の母への追慕」がイ・ホンを通して描かれていたのかもしれない。

●配信情報
Netflixシリーズ『暴君のシェフ』独占配信中
[2025年/全12話]演出:チャン・テユ 脚本:fGRD
出演:イム・ユナ(少女時代)、イ・チェミン、カン・ハンナ、チェ・グィファ、オ・ウィシク、ユン・ソア、イ・ジュアン、パク・ヨンウン、キム・グァンギュ、ホン・ジンギ