人の痛みがわからず、感情をコントロールすることができない女性と、983年もの間、地獄の底に閉じ込められていた魔法のランプの精霊が繰り広げる、ファンタジーロマンティックコメディ『魔法のランプにお願い』がNetflixで独占配信中だ。

 主役を演じるのは、『むやみに切なく』以来、8年ぶりの共演となるキム・ウビンペ・スジ。2人の息の合った掛け合いは、シリアスな中に、思わず吹き出してしまうシーンが織り交ざり、視聴者を楽しませてくれる。また、ダニエル・ヘニーキム・ジフンソン・ヘギョといった豪華俳優陣の特別出演も話題となっている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■キム・ウビン&ペ・スジ出演の注目作、Netflix『魔法のランプにお願い』見どころは?

 子供の頃から、生き物や人間を傷つけることに何の罪悪感ももたず、実の親からも恐れられていたキ・ガヨン(スジ/『イ・ドゥナ!』『スタートアップ:夢の扉』)。自分の思った通りにならないと、すぐにキレて、相手の首を絞め、殺しかねない勢いだ。

 母親に見捨てられたガヨンは、祖母(キム・ミギョン/『巫女と彦星』『サムダルリへようこそ』)に教えられた「感情を抑えるためのルール」と、「水曜日にはカムジャタンを食べる」というルーティンを守り、カーセンターを営みながら生きてきた。

 そんなある日、魔法のランプの精霊ジーニー(キム・ウビン/『配達人~週末の救世主』『私たちのブルース』)が、ガヨンの前に姿を現す。ジーニーは、ガヨンの願いを3つ叶えるといい、付きまとう。

「人間は願いが叶えば、必ず堕落する」と主張するジーニー。「人は善だ」という祖母の教えに反するジーニーの主張が間違っていることを証明するために、ガヨンはジーニーに、「村に住む5名の願いを叶えよ。そのうち3名が堕落したら自分は死ぬ」と宣言する。

 物語は、ガヨンの実母が暮らすドバイから始まり、このドラマのスケールの大きさを感じさせる。

 自分に説教をする祖母を疎ましく思い、祖母から離れるために1等を取ることだけを考え、名門大学を卒業後、起業するガヨンのたくましさ。しかし、その陰には、祖母と村人たちがガヨンを温かく見守りながら、人の痛みや人間としてのルールを教え続けたという努力がある。人間関係が希薄化している現代社会への警鐘とも考えられる設定だ。

 クールな役どころが多いキム・ウビンだが、ジーニーに仕えるジャガーの神獣セイド(コ・ギュピル/『TWELVE』『愛の不時着』)から教わった缶ビールの美味しさに感動したり、ゲームを続けるために、ガヨンに小銭を無心したりと、おちゃめな面を見せ、それがキム・ウビンの新たな魅力となっている。

 祖母が亡くなったら、自分の感情をコントロールできる人がいなくなると恐れ、祖母を若返らせてほしいと願うガヨン。若返った祖母役を演じるアン・ウンジン(『恋人〜あの日聞いた花の咲く音〜』)の言動が面白おかしく、光っている。

 脚本は『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』『ミスター・サンシャイン』を手掛けたキム・ウンスク、演出は『エクストリーム・ジョブ』のイ・ビョンホン(途中降板)と、『ザ・グローリー~輝かしく復習~』のアン・ギルホが務める。

●配信情報

Netflixシリーズ『魔法のランプにお願い』独占配信中

[2025年/全13話]演出:アン・ギルホ、イ・ビョンホン 脚本:キム・ウンスク

出演:キム・ウビン、スジ、キム・ミギョン、アン・ウンジン、ノ・サンヒョン、コ・ギュピル、イ・ジュヨン、ウ・ヒョンジン