Netflix映画『グッドニュース』は、1970年に日本、韓国北朝鮮で現実に起きた「よど号ハイジャック事件」をベースにしたフィクションだ。史実自体が大変興味深いできごとなのだが、映画としても語りどころの多いブラックコメディだ。(以下、一部ネタバレを含みます)

■話題のNetflix映画『グッドニュース』韓国と日本の俳優が豪華競演!

 まず注目すべきは日本と韓国の俳優の豪華な顔合わせだ。

 現実の「よど号」に当たる劇中の「はる号」操縦士に椎名桔平。副操縦士に韓国から帰化したという設定のキム・ソンオ。ドラマ『パイン ならず者たち』や映画『ソウルの春』『アジョシ』に出演した俳優だ。

 冒頭に逮捕される赤軍派のメンバーに永山瑛太、ハイジャック犯のリーダーに笠松将、女性幹部に山本奈衣瑠。日本の政府要人に山田孝之、西村まさ彦、佐野史郎、橋爪功。なかでも笠松将、山田孝之、佐野史郎は韓国側の要人とのからみもあるので見ものだ。

 ハイジャック犯と乗客を乗せた飛行機を迎え入れる金浦空港に集まる、韓国側対策チームの影の司令塔役には、映画『茲山魚譜 チャサンオボ』『キングメーカー 大統領を作った男』、ドラマ『ハイパーナイフ 闇の天才外科医』のソル・ギョング

 ソル・ギョングは、2000年前後に映画『ペパーミント・キャンディー』や『シルミド/SHILMIDO』でスターになってからは、本来の持ち味が発揮されない作品への出演も少なくなかったが、本作でのクセのある役柄は久しぶりの本領発揮という印象だ。また、映画『力道山』『夜叉 ─容赦なき工作戦─ 』以来、格段に上手くなった彼の日本語を聞くことができる。

Netflix映画『グッドニュース』独占配信中

■苦悩する管制官役のホン・ギョン、映画監督役のユン・ギョンホの演技も見もの

 管制官役にはドラマ『弱いヒーロー Class1』『D.P.-脱走兵追跡官-』、映画『君の声を聴かせて』で注目の若手俳優ホン・ギョン。保身しか考えない各国の要人たちに振り回される彼の姿は、映画『大統領の理髪師』で権力の亡者たちと家族の板挟みで苦悩する理髪師(ソン・ガンホ)を彷彿とさせる名演技だった。

 なお、管制官の父役にはドラマ『北極星』『100番の思い出』、映画『犯罪都市 PUNISHMENT』のパク・ジファンが扮している。

Netflix映画『グッドニュース』独占配信中