日本で公開中の映画『しあわせな選択』は、一場面一場面、画面の隅々にまで仕掛けが多く、何度観ても飽きない。イ・ビョンホン扮するマンスとパク・ヒスン扮するソンチュルが、二人で深酒するシーンもそのひとつで、そこに登場するビールと爆弾酒の描写は韓国映画史に残る妖艶さだ。

■『酒飲みな都会の女たち』の印象的な飲酒場面、旅行者がドラマみたいに楽しくお酒を楽しむコツは?

『しあわせな選択』に限らず、韓国の映画やドラマにはお酒を飲むシーンが多い。

 たとえば、アラサー女性3人の友情を描いた人気ドラマ『酒飲みな都会の女たち』では、シーズン1の1話冒頭からチョン・ウンジ(Apink)が初対面の男性と次々にソジュのグラスを乾すシーンが印象的だった。

 あんなふうに飲んでみたいという声に応えて、この春休み、韓国でお酒を楽しむコツをお教えしよう。今回は日本の人が好きな「一人飲み」について。

 韓国では一人飲みの歴史が浅いという話を鵜呑みにしているせいか、日本の人の多くが誤解しているが、じつは外国人旅行者にとって韓国は一人飲みがしやすいところである。

 そもそも、日本の人が一人飲みに抵抗を感じるのは、「奇異の目で見られるのでは?」という心配があるせいだろう。

 しかし、よく考えてみてほしい。あなたが韓国の飲食店に入り、遠慮気味に店員さんを呼んだ時点で、カタコトの韓国語で注文した時点で、店からは外国の人だと認知される。店員さんや韓国人客はあなたが少々浮いていても「外国人だもんね」で終わりである。

 店の利用が許された時点で周りの目など気にする必要はない。それどころか、あなたが外国人だとわかった時点で、隣席の韓国人は一人で飲食するあなたに興味をもち、話しかけてくれるかもしれない。タイミングのいいことに、最近なら野球のWBCという平和的な話題もある。

 筆者の日本の友人知人にはブロークンな英語や韓国語で隣席の客と会話し、乾杯を重ねるうちに、すっかり意気投合し、飲み代まで払ってもらってしまったという人がたくさんいる。

ソウルのローカルな酒場で記念撮影に興じる日本人旅行者

■一人飲みしやすいのはサムゲタン専門店

「焼肉や鍋もので一杯やりたいが、二人前からの注文が基本なので一人では食べきれないし出費も大きい」
一人旅が好きな日本人からよく聞く言葉だ。

 そんな人にはサムゲタン(参鶏湯)の店をおすすめしたい。

 サムゲタンは丸鶏と高麗人参を煮込んだ一人用鍋だから、一人で食べるのがあたりまえ。一人客も珍しくない。高麗人参酒が常備されているので、一人で飲んでいても奇異な目で見る人はいない。