日本で公開中の『映画 冬のソナタ 日本特別版』。チュンサン(ペ・ヨンジュン)とユジンチェ・ジウ)の永遠のラブロマンスがスクリーンを華麗に彩っている。この映画を見て改めてぺ・ヨンジュンとユン・ソクホ監督の強い絆を感じることができる。2人には制作秘話としてどんな物語があったのか。

■デビュー当時にセリフを忘れたペ・ヨンジュン、演出家として鍛えたのは誰なのか

 それは2001年のことだった。ユン・ソクホ監督が『冬のソナタ』のキャスティングを検討しているとき、タイプが違う2つの役を1人で演じる際にはペ・ヨンジュンが適任だと思った。それほど彼の演技力を高く評価していた。

 当時、ペ・ヨンジュンはテレビドラマを卒業して映画界に転身したいと考えていた。すでに彼のもとに届けられた映画のシナリオが100本もあった。映画の制作会社がこぞってペ・ヨンジュンにラブコールを送っていたのだ。

 そんなときにユン・ソクホ監督からドラマの出演要請があった。他の監督だったら、ペ・ヨンジュンも断っていた。

 しかし、ユン・ソクホ監督の依頼だけは断るわけにはいかなかった。なぜなら、彼こそが俳優人生を決定づけた恩人だったから……。

 実は、ペ・ヨンジュンのデビュー作である『愛の挨拶』(1994年)のメガホンを取ったのがユン・ソクホ監督だった。

 このドラマは複数の監督が共同で関わっていたが、たまたまペ・ヨンジュンのデビューシーンはユン・ソクホ監督が演出をしていた。

 人生最初の出演場面で素人同然だったペ・ヨンジュンはセリフを忘れるという失敗をした。ユン・ソクホ監督が烈火のごとく怒った。あまりの罵声にペ・ヨンジュンは衝撃を受け、自信を喪失してしまった。撮影現場から逃げ出したくて仕方がなかった。もしも本当に逃げていれば、後の人気俳優はいなかったのだが……。

 幸いに、ペ・ヨンジュンは逃げなかった。自分の至らなさを痛感し、2週間の間、セリフの練習に完全に没頭した。それから再びユン・ソクホ監督の前に立って、シナリオ通りに演技をした。