千葉・幕張メッセで去る5月8日から3日間にわたって開催された「KCON JAPAN 2026」は、約12万人の観客が来場し、大盛況のなか閉幕した。
今年は、K-POPと並んで韓国カルチャーの柱ともいえる映画・ドラマをテーマにした「K-STORY ZONE」が新たに誕生。韓国映画界の巨匠と呼ばれるキム・ハンミン監督(57)らが来日して、映画製作とAIが融合した映画界の未来図を語った。
■『神弓-KAMIYUMI-』『バトル・オーシャン』のキム・ハンミン監督が来場、パク・ボゴム主演の次回作はAI活用
2014年に公開された映画『バトル・オーシャン 海上決戦』で韓国の映画史上、歴代最高の1761万人という動員記録を樹立したキム・ハンミン監督。次回作となるパク・ボゴム主演の歴史大作『剣:THE SWORD REBIRTH OF THE RED WOLF』(原題/2027年8月公開予定)はAI技術を駆使していることで話題となっており、会場ではその動画の一部が公開された。
本作は、高句麗滅亡直後の668年を舞台に記憶を失って奴隷になった高句麗の剣士(パク・ボゴム)が、伝説の剣をかけた試合に飛び込んで、死闘を繰り広げるストーリー。剣が火花を散らすアクションシーンや背景の多くがAIによって製作されている。
キム・ハンミン監督はAI活用の利点について、「これまでは撮影が終わるまで結果が見られなかったが、AIでシミュレーションが可能になると私が見せたかった世界観が表現しやすくなる。今はまだ実物の俳優やスタッフらと一緒に撮る分量がはるかに多いが、今後はAIで製作されるシーンが多くなり、現場撮影がまったく必要ない段階まで到達するのでは」と語った。
■AIディストピア論については?「人間の企画力とメッセージが重要な時代になる」
映画やドラマ業界の一部では「クリエーターがAIによって職を奪われる」といった“ディストピア論”が語られているが、キム監督は「業界では楽観的な見方が多い。AIによる量的な変化が加速すると映画の質的な変化をもたらすだろうが、そうなると人間の企画力とメッセージが重要な時代になる」とAIと人間の共存を強調した。
次いで、キム監督は3作目の作品となった『神弓-KAMIYUMI-』(2011年)について、「フィルムでの撮影は予算がかかり大変な思いをしたので映画をあきらめかけていたが、『神弓』からデジタル撮影を取り入れたことで有利な立場となった」と振り返った。
そして、「AIを活用する『剣』は私の人生全体のチャレンジになると考えている。来年8月に日韓同時公開の予定なので、その時はパク・ボゴムやチュウォンら俳優陣と一緒に日本に来たい」と笑顔でアピールした。