Netflix配信のヒューマンドラマ『誰だって無価値な自分と闘っている』。物語の後半、第8話の最後になって、20年間も映画監督としてデビューできなかったファン・ドンマン(ク・ギョファン)がついに日の目を見ることになった。今まで、さんざん他の監督をこきおろしてきた彼が初めて実戦のリングに上がるのだ。果たして、作品をめぐる批判の数々に耐えられるのか。(以下、一部ネタバレを含みます)
■『誰だって無価値な自分と闘っている』誰にも認められないという「孤独」に苦しめられてきたドンマンの逆襲がスタート
大学の映画サークルで知り合った仲間たちで結成された「8人会」のメンバーは、それぞれ監督やプロデューサーとして成功していた。唯一、落ちこぼれていたのがドンマンだった。
しかし、「8人会」で最も情熱を持ったコ・ヘジン(カン・マルグム)がドンマンのために一肌脱ぐことになった。
ヘジンは映画会社コバクフィルムの代表を務めており、次回制作の作品としてドンマンが心血を注いできた『天気をお作りします』を映画化するという決断を下した。これはドンマンにとっても寝耳に水だった。
ただし、ヘジンは脚本『天気をお作りします』の修正稿をまだ知らない。修正前の応募作しか読んでいないからだ。実は新しい修正稿は格段に良くなっている。太鼓判を押したのが映画会社チェ・フィルムで働く企画PDのピョン・ウナ(コ・ユンジョン)だった。
ウナは脚本をレベルアップさせる達人だ。元カレの脚本も修正に協力していて、「ヨンシル」というペンネームで共同脚本家として名前を連ねている。そんな彼女が『天気をお作りします』の修正稿を絶賛しているのだ。こうしてドンマンは、映画監督として世に出るビッグチャンスを得た。
しかし、同時に「いばらの道」の始まりだ。今までは傍観者として他者の映画を批判していればよかった。しかし、今後はそういうわけにはいかない。映画の出来によっては、あらゆる罵詈雑言が降りかかってくるのだ。
それは、「8人会」のパク・ギョンセ(オ・ジョンセ)を見ていればよくわかる。彼も映画監督として最新作が大コケしてしまい、地獄のような苦しみを味わっている。その苦しみの一端は、露骨にけなしていたドンマンにも責任があるのだが、今度は彼自身が当事者となって「罵声のノックアウト」をくらうことも覚悟しなければならない。