■「浅間山荘事件」とはーー?
浅間山荘事件とは、1972年の2月19日から28日の9日間、長野県の河合楽器製作所の保養所「浅間山荘」に、過激派武装組織「連合赤軍」のメンバーが5人が管理人の妻を人質をとって立てこもった事件のこと。包囲した警察と銃撃戦になり、人質は確保され、メンバー5人は逮捕されたが、警察官2人、民間人1人が射殺され、27人が負傷した。
男性ブランコの2人は1987年生まれなので、彼らが生まれる15年前の話だ。
事件の前、のちに「連合赤軍」となるメンバーは連続銀行強盗事件、銃砲店襲撃事件を起こして資金と銃・弾薬を入手し逃走。警察に追われて1971年の年末から群馬県の山岳地帯に「山岳ベース」を構えて「連合赤軍」を結成し、軍事訓練などを行なっていた。
しかし、メンバー内で「総括」と呼ぶリンチを行ない、29名のメンバーのうち12名が死亡。群馬県警が350名を動員し、大規模な山狩りを実施したため包囲網が迫り、バラバラに逃走。4名が脱走し、8人が逮捕され、残った5人のメンバーが偶然見つけたのが、浅間山荘だった。
5名は山荘の管理人の妻を人質に取り、浅間山荘に立てこもって電話にも出ず、警察に要求もせず、発砲を繰り返した。そして籠城から9日目、午前10時に機動隊が突入を開始。警察官2名が被弾し死亡。警察は放水、ガス弾で攻め、犯人グループは鉄パイプ爆弾、銃で応戦したが18時10分ごろ、犯人全員が逮捕された。
この事件はテレビで生中継され、犯人逮捕の瞬間の視聴率は66.5%を記録。警察が突入作戦の一環として、クレーン車で吊った鉄球で山荘のカベと屋根を破壊しようと試みた映像は、日本中に衝撃を与えた。男性ブランコがネタにしたのは、この鉄球だ。
この「浅間山荘」だが、驚くことに現在も存在している。現在、香港に本部がある慈善団体「一般社団法人正生会」が所有。中日新聞デジタル編集部が、2022年2月18日に取材した映像を公開している。