■この事件で「カップヌードル」が一躍有名に!

 この事件で一躍有名になったのが、日清食品の「カップヌードル」だった。1971年9月に世界初のカップ麺として発売を開始したカップヌードルは、販売不振に喘いでいた。事件現場の平均気温は摂氏マイナス15度。雪が積もる山奥で、警察や機動隊に配給された弁当はカチンコチンに凍ってしまう。そんな中、お湯を入れるだけで温かい食事がとれるカップヌードルが非常食として導入され、雪の中で機動隊がカップヌードルをすする映像が何度も流れた。

 これがきっかけでカップヌードルの存在が知られて爆発的に売れだし、1973年にはアメリカで販売を開始。ブラジルやシンガポール、香港、インド、オランダ、ドイツ、タイなどでも販売され、日清食品は世界的な企業に成長。2022年2月の時点でカップヌードルは累計販売数500億食を超えた。

日清カップヌードル 初代CM

 日清食品は『M-1グランプリ』が再開した2015年からプレミアムスポンサーに。過去には『日清食品 THE MANZAI 年間最強漫才師決定トーナメント!』のスポンサーを務めるなど、吉本興業と関係性が深い。

 今回の『M-1グランプリ2022』では、番組の途中でセブンイレブンとコラボし「高須クリニック」パロディにした「どん兵衛」のCMが流れ、大きな話題になった。

日清のどん兵衛CM「最強セール篇」/ 空気階段 (鈴木もぐら・水川かたまり)

 『M-1グランプリ2016』では副賞として、優勝した銀シャリの2人にグリーンの全身タイツを着せ、「どん」の文字を人文字で表現したパッケージのどん兵衛を発売。

https://www.nissin.com/ より

2018年には霜降り明星に“霜降り”から連想したのか、イタリアの高級牛「キアニーナ牛」を贈呈。『M-1グランプリ2019』では、優勝したミルクボーイへの副賞について、「他3社と同程度の金額で考え中」と発表するなど、日清食品は『M-1』を上手く話題作りに利用してきた曲者企業だ。

 今回の男性ブランコの決勝ネタと、日清食品。はたして、これは単なる偶然の一致なのだろうか……?