■読者から「梅田の怖い噂」が続々と……

昼も夜も人で賑わう梅田の街。様々な噂が流れる中には…… (写真はイメージです)

 さて、前回、梅田にまつわる怪異の記事を掲載した後、「梅田でこんな怪現象を体験した」「他にも霊道があるらしい」などの証言をいただくことができた。そこで今回は、これらの証言をもとに大阪を代表する繁華街にして夜の街「梅田」に関するさらなる不思議な噂を調査した。

 

 まずひとつ目は、前回ご紹介した霊道が通るという噂のある寺からほど近い「某ホテル」での恐怖体験だ。仮にAと呼ぶこのホテルは、心霊スポットや怪談が好きな人の間では幽霊が出ると噂される有名なホテルであり、とある部屋に宿泊すると、

 

「部屋に髪の毛の束が落ちていた」

「窓の扉を開けると神棚があった」

「老婆の霊が出た」

 

 ……などの噂がある。そして、読者の1人から「Aホテル」にまつわる、こんな証言が寄せられたのだ。

 

■読者から届いたAホテルでの恐怖体験

歴史あるホテルには怪談が付き物だが……

(写真はイメージ)/画像:写真AC

「20年ほど前にAホテルに彼女と泊まったときのことです。ツインの部屋でベッドが小さかったため、彼女と別々に寝ることにしたんです。2人ともぐっすり眠っていた深夜、突然、目が覚め、意識がはっきりしているのに身体が硬直していることに気づきました。

 顔だけは動かせたので横を見ると、すぐそばに人のような姿が見えたんです。鮮明に見えたわけではないけれど、確かにそこに『何か』がいることだけははっきりと感じました」

 

 体験者のBさんは何かされたわけではないが、そこにいた「なにか」に「こいつはヤバイ」と本能的な恐怖を覚えたという。だが、逃げ出そうにも身体は動かず、しばらくするとそれは枕元に近づき腕らしきものを伸ばして、Bさんの首に触れてきた──。

 

「触れた感触は少し冷たく、この時点で恐怖はマックスでした。どうにか隣のベッドで寝ている彼女に気づいてもらおうと、身体を動かそうと試みました。しかし、指先ひとつ動かすどころか声も出せない。それでも、しばらく渾身の力を振り絞っていると、ほんの少しだけ体が動いた気がしたんです」

 

 そのとき突然、部屋が明るくなった。同時に体を動かすことができ、声も出せたという。Bさんがうなされていたので彼女が起きて電気をつけてくれたのだ。そして、Bさんが横を見ると、先ほどまで枕元にいた「なにか」は消えていた。ただ、体は海から上がったときのように重く、ぐったりと疲れを感じたという。

 

 ちなみにBさんは特に霊感があるわけではなく、今回のような「金縛り」に遭ったことは以前に一度あっただけでその後もないと話す。

 

「後日、ホテルに電話して聞いてみると、『事件や事故のあった認識はございません』と言われました。まぁ、仮に何かあったとしても『ない』と答えるかもしれませんが……」

 

 と、Bさんは語ったが、実際のところホテルスタッフの言葉どおり、Aホテルで事件や事故が起きた記録はない。では、梅田周辺で語られる、このような心霊現象や霊道の噂はどこから生まれたのか?