■戦場で目撃されたUMA
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思えばゴジラと初遭遇したのも日本軍だった……。
画像:shutterstock
太平洋戦争末期の小笠原諸島・大戸島。この島の守備隊基地を、全長15メートルにもおよぶ謎の巨大生物が襲撃する。これこそが、島に語り継がれる伝説の怪物「呉爾羅(ゴジラ)」だ。
その後、ゴジラは米国による核実験で約50メートルまで巨大化。太平洋から日本本土を目指して進行し、これを旧日本軍の復員兵を含む男たちが、迎え撃つことに──。
これが2023年度の大ヒット作となり、翌2024年3月3日までの公開122日間で観客動員392万人、興行収入60.1億円を記録。米国アカデミー賞で視覚効果賞も受賞した映画「ゴジラ-0.1(マイナスワン)」の大まかな冒頭部分だ。
当然だが、ゴジラは架空の存在である。だが、大怪獣を連想させる未確認生物、いわゆる「UMA(Unidentified Mysterious Animal)」との遭遇や戦いは、実際に戦時中に起きていたともいわれる。
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米軍の話だが、1944年のニューギニアで「空を飛ぶ魔物」を目撃している。地元の人々が「ローペン」と呼ぶその怪生物は、人や動物の死肉を好み、墓荒らしをする悪魔だという。目撃した兵士によると、その姿は体長6メートルをゆうに超え、古代の翼竜プテラノドンそっくりだったという。
そして日本軍もまた、UMAと遭遇、あるいは戦ってすらいる。そんな戦場奇談の一部を紹介していこう。
■日本海軍が古代海竜を撃沈!?
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レイテ沖海戦のシブヤン海で被弾した戦艦大和。
画像:Public domain, via Wikimedia Commons
1944年6月、マリアナ沖海戦で日本の連合艦隊は、空母3隻、航空機450機以上を損失。事実上、日本が誇った機動部隊が壊滅する大敗を喫した。そして、傷だらけの日本海軍が国の存亡をかけた一大決戦として臨んだのが、同年10月のレイテ沖海戦だ。
後に「史上最大の海戦」と呼ばれるこの戦いで、日本海軍が「怪獣のような生物」と戦ったという奇談が残っている──。
1944年10月24日、西村艦隊の駆逐艦「満潮(みちしお)」が、フィリピンのカミギン島沖北方を航行していた。そのとき、満潮の乗組員が艦の付近を泳ぐ巨大な生物を発見。その大きさは全長十数メートルもあり、姿はワニに似ていて海面に頭だけを出していたという。
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UMAを「撃沈」した都市伝説を残した駆逐艦満潮。
画像:Public domain, via Wikimedia Commons
アメリカの新兵器とみた満潮は、その生物に砲撃を開始。砲弾が命中した生物は雄叫びを上げて逃げ惑ったが、満潮はしつこく追いかけ砲撃を続けた。やがてその生物は力尽き、大量の血を残して沈んでいったという。
ただし、この話の詳細はわかっていない。なぜなら、翌10月25日のスリガオ海峡での戦いで満潮は撃沈され、わずか数名を残し、ほとんどの乗員と記録はともに海に消えたからだ。