■海軍は各地でUMAと遭遇!?

 

駆逐艦海風
駆逐艦海風は一時期、満潮と僚艦だった。UMA以外にも縁のあった二艦だ。 画像:Public domain, via Wikimedia Commons

 しかし、この数年前にも「怪獣」の目撃例はある。

 

 1942年9月から10月にかけて、駆逐艦「海風」の水兵たちが巨大な生物を何度も目撃したという。場所は日本海軍の重要基地だったトラック諸島(現・ミクロネシア連邦チューク諸島)の沖合。その姿は、満潮の例と同じく巨大なワニのようだったという。

 

 当時、海風はガダルカナル島への高速輸送作戦に従事しており、ガダルカナル島の西側にはニューギニア島が横たわっている。そして、ニューギニアは水棲型UMAの代表格「ミゴー」で知られる島だ。

 

 ミゴーといえば、映画「ジュラシック・ワールド」で一躍有名になった古代の海棲爬虫類(はちゅうるい)、白亜紀の海の王者モササウルスの生き残りだとされる。実は、19世紀から東南アジアからニューギニアにかけての広い海域で、何度も「ワニのような巨大な怪物」が目撃されている。

 

モササウルス想像図

モササウルス。ワニに似た巨体、四肢はヒレと目撃証言と確かに一致している。

画像:shutterstock

 

 同じくニューギニアでは太平洋戦争中、日本兵が川や海に手りゅう弾を投げ込んで発破漁をしていると、時々「奇妙なワニ」が浮かんできたという。そのワニは足がヒレになっていたが、もちろん、そのような種は現存していない。

 

 これら「奇妙なワニ」の正体も、モササウルスだったのかもしれない……。

 

 続く後編では、日本軍が遭遇したどころか食べてしまった半魚人型UMAから、逆に日本軍の捕虜を喰い漁った「タイの人喰いドラゴン」まで、さらに奇妙な「戦場に現れた未確認動物」のエピソードを紹介しよう。

 

【参考資料】
『幻の動物たち 上』ジャン・ジャック・バルロワ著/ベカエール直美訳(早川書房)
『世界のUMA 未確認データブック』横山雅司(日本文芸社)
『大迫力! 世界のUMA未確認生物大百科』天野ミチヒロ監修(西東社)
『日本軍の怪奇話』藤本泰久著(キジバト社)
『現代の海にモササウルスは生きている!!』ドロップ著(世界の不思議・都市伝説オカルト見聞録)