人気旅系YouTuber「EXIT JACK」。韓国・釜山にフェリーで向かう途中で立ち寄った長崎県・対馬で、彼らは「絶対に近づくな」と言われた禁足地──通称「オソロシドコロ」の噂を耳にする。持ち前の好奇心と行動力で地元の人々に聞き取りをしながら向かった先で、彼らが遭遇したモノとは? EXIT JACK・マンペー氏が語る伝説の禁足地の真実!

 

EXIT JACKの禁足地「オソロシドコロ」を巡るルポ動画↑は必見!

 

■対馬に漂う「ある種の異国感

ゴーストオブツシマ

大ヒットゲームの聖地は文字どおり「聖なる島」だった!?

画像:shutterstock

──大ヒットゲーム『ゴースト・オブ・ツシマ』で世界中から「聖地巡礼」に訪れる観光客が激増したり、一部の韓国人観光客の乱行がニュースを騒がせた対馬だが、実際に訪れて、どのような印象を受けました?

 

 僕自身も上陸する前は「対馬」って聞くだけで、完全に「大陸の入口」ってイメージが強かったんですよね。 電脳奇談の読者の皆さんも、韓国からのツアー客が多いとか、釣りとかグルメとか、そういう“観光地”のイメージが強いと思うんですけど……。

 

 でも、それだけじゃない。実際に行ってみると、もっと不思議な空気感があるんですよ。

 

 対馬って歴史的に交易やら戦争やら大陸との交流が多かった場所だからか、人の想いとか記憶みたいなものが土地に染み込んでいる感じがして。日本のはずなのに、どこか異国感があるというか……すごく不思議な場所でしたね。

 

■ここは理屈じゃない何かがある!

 

対馬

山々と入り江、深い森で構成された対馬全体がパワースポットとマンペー氏は語る。

画像:shutterstodk

──対馬はパワースポットが多いことでも有名ですが、不思議な空気感はそういうところから?

 

 そうなんです!「島全体がパワースポットじゃないか⁉」って感じで。歴史的に戦場だった背景もあるし、そこで命を落とした人たちの“念”とか“想い”みたいなものが、今でも土地に残っている気がするんですよね。なんかこう、言葉じゃうまく説明できない“重み”みたいなものがある。

 

 しかも、興味深いのは、地元の人たちの話を聞いても、それをスピリチュアルとかオカルトっぽく語るんじゃなくて、もっとリアルな感覚で「ここには“力”がある」っていうのを自然と伝えてくる感じで。ほんとに、理屈じゃない何かがある島でした。

 

■天皇家に繋がる奇妙な祭祀

 

天道法師の墓所
オソロシドコロのうち「表八丁郭」と呼ばれる天道法師の墓所。奇妙な伝説が数々……。 画像提供:EXIT JACK

──そもそも、伝説の禁足地なんて場所になぜ行こうと? マネジャーの太一さんは「心霊系は苦手」って言っていたのに……。

 

 いや〜、ほんとにね(笑)。たまたま地元のレンタカー屋さんで「絶対に近づくな」と言われて逆に興味を惹かれて。それに、YouTubeのネタとしてってだけじゃなくて、「お天道様」って言葉のルーツがそこにあるかもって聞いた瞬間、もう興味のほうが勝っちゃって。

 

 あと、地元の人たちが「ちゃんとした話」として語ってるのが印象的で。それで、お互いに「行ってみたい」って気持ちに変わりましたね。

 

多久頭魂神社
オソロシドコロの一つ「不入坪」は多久頭魂(たくずたま)神社の神域にある禁足地。 画像:Ackeyyama, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons

 

──実際に足を踏み入れた「オソロシドコロ」の印象は?

 

 僕らが行ったのは、対馬南部の豆酘(つつ)地域にある卒土山(そとやま)、今でいう龍良山(たてらやま)にある「表八丁郭(おもてはっちょうかく)という場所なんですけど、ここがもうめっちゃ神聖な場所で、地元では天道法師というお坊さんが入定した地と伝えられています。

 

 さらに、(いかづち)神社っていう神社もあって、ここがまた面白い話があるんですよ。実は、天皇の代替わりや年号が変わるタイミングで、皇居で行なわれる儀式に似たものが、この雷神社でも行なわれているそうなんです。

 

 地元では、その儀式は“天の意志を受け取る祭祀“と語り継いでいるんですけど、そもそも1000キロ以上離れた皇居と対馬で同じような儀式が伝わっているって不思議ですよね。

 

雷神社には古代中国から伝わった占術「亀卜(きぼく)」が今も伝えられている。 画像提供:EXIT JACK