■神々の会議の議長に相談しよう

 

稲佐の浜
旧暦10月に日本中の神様が「神議り」のため寄り集う稲佐の浜。 画像:Adobe Stock

 こうして幽界を司ることになったオオクニヌシは、日本中の神々が出雲に集まってこの世のご縁を話し合う会議「神議(かむはか)り」の議長も担っています。

 

 そこで例えば、こういう場合はあの神様にお任せしよう」という具合に神々も繋いでいき、その神様がまた、第4回の人生崖っぷちになった女性のように、困難を脱出するきっかけの人や出来事を用意してくれる──こうした“流れ”をつくってくれるのがオオクニヌシだと私は感じています。

 

 ですので、どうにもならないときはオオクニヌシ様に会いに行って相談してみると良いでしょう。

 

 私は通りすがりの神社に参拝したときに、たまたま、御祭神がオオクニヌシ様であったりすると「オオクニヌシネットワーク」が働きかけてくれた気がして嬉しくなります。

 

 ただし、お願いしたからといって、何も努力しないのはNG。私自身の経験からも、神様は、人間ができる限りの努力を繰り返し積み重ねた、思いの強さなどをみて、後押ししてくれるんだと、強く感じています。

 

 

■いただいたご縁を活かす秘訣は?

 

大国魂神社拝殿

東京近郊の方ならオオクニヌシを祀る大國魂神社(東京・府中市)もオススメ。

画像:Saigen Jiro, Public domain, via Wikimedia Commons

 とはいえ、「努力する気力も起きないんだよ……」というときは、誰だってありますよね。でも大丈夫!

 

 自らのいたずらが元で皮を剥がされてしまったウサギだって、親身になって癒やしてあげたオオクニヌシですから、あなたがどんな状態でも温かく癒やしてくれることでしょう。よいご縁もきっと結んでくれるに違いありません。安心して癒やされに行ってほしいと思います。

 

 しかし、いただいたご縁をどこまで活かしていけるかは、お願いする側の努力しだいでもあるのです。神話の解釈はさまざまですが、弱さも優しさもあり、ご縁に助けられながら成長してしたたかさを身につけていったオオクニヌシの神話は、そうしたことも教えてくれている気がしています。