■イ・ジョンジェが放つ“華”の魅力とカリスマ性
伊丹十三監督が自身の監督作品『あげまん』(1990年)のDVD特典映像で話していた。役者にはX軸(役に自分の気持ちを近づける)とY軸(その役らしい外見、立ち居振る舞い)に加え、Z軸が必要だと。Z軸とは数値化できないが、その人がそこにいるだけで何か訴えかけてくるものがある。いわゆる“華”と呼ばれるものだという。韓国ではカリスマという言葉が使われる。
繰り返すがイ・ジョンジェが抜きん出た演技派とは思えない。我が国、韓国には演技派はごまんといる。しかし、彼には伊丹監督が言う華がある。華は勉強や練習では身につかない。天性のものなのかもしれない。
そんなイ・ジョンジェの魅力を探るべく、次回から数回にわたり、彼が出演した映画を観ていこう。