■【韓国人が好きな卵料理4位】ケランチム(茶碗蒸し風)

 ケランチムは黄色が鮮やかで、隆起した部分にスプーンを入れると蒸気が噴き出すなど、見た目のインパクトが強いせいか、日本のコリアンタウンでも人気である。ただ、日本で1000円も取る店もあると聞くと、韓国人は「!」となる。

 韓国でも最近は居酒屋の単品料理として6000ウォンくらい取る店も増えているが、全州ビビンパやカルビチムなど値の張る料理の専門店では、サービスの副菜として出している店もまだあるからだ。

全州のビビンパ専門店で副菜として出たケランチム

■【韓国人が好きな卵料理5位】クウンケラン(殻ごと加熱した卵、茹で卵風)

 クウンケランは殻ごと加熱した卵。チムジルバンでTシャツ短パン姿の男女が食べるものというイメージが強いかもしれないが、コンビニや田舎のバスターミナルの売店にも並んでいる間食である。韓国ではサイダーとセットで認識している人が多い。古い映画『神様こんにちは』(1987年)の夜汽車のシーン。わけありの妊婦チュンジャ(キム・ボヨン)が、たまたま目の前に座った小児まひの青年ビョンテ(アン・ソンギ)に、卵とサイダーを分けてあげる。貧しい者どうし食べ物を分かち合う我が国の美風がよく描かれていた。

 最近の映画では、『The Witch 魔女』(2018年)で女子高校生ジャユン(キム・ダミ/『梨泰院クラス』『その年、私たちは』ヒロイン)が列車の中で卵を口いっぱいにほおばりながら、サイダーを流し込むシーンがとても可愛らしかった。

 最近はネットで検索すれば、韓国式卵料理のレシピもすぐ見つかるようになった。外出がはばかれがちな今、気分転換にぜひチャレンジしてみてほしい。

クウンケランを食べ、サイダーやシッケを飲みながらおしゃべりするのがチムジルバンの楽しみのひとつ
田舎の大衆酒場ではクウンケランがカウンターに常備されていた

 

*本コラム筆者、チョン・ウンスクの韓国映画講座(オンライン)のお知らせ

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 ノワールや南北分断と並ぶ韓国映画の一大ジャンル、ラブストーリー。『八月のクリスマス』『私の頭の中の消しゴム』『素晴らしい一日』『ユンヒへ』など新旧名作の名場面や落涙シーン、社会背景などを掘り下げます。お申し込みは下記、朝日カルチャーセンターのサイトで。

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