キム・テリは驚くべき女優だ。

 表現力が並大抵ではない。

 たとえば、大好きな漫画の最新刊を見られなかった女子高生がどんなふうに悔しがるか。それを、30歳を過ぎても生々しく演じてくれる。

 あるいは、台本に細かく指定されていない演技を創造性で補って再現してくれる。
それができるのも、たぐいまれな想像力を演技に生かせるからだ。

 かくして、韓国ドラマ二十五、二十一』は演じる役の年齢を自在に動かせる天才肌のヒロインを得て、最高にときめく作品となっていった。

 共演するナム・ジュヒョクも、独特の抒情性を感じさせる演技で、キム・テリと見事に呼吸を合わせていた。彼はこれまでのドラマで数々の印象的なキャラクターに扮してきたが、『二十五、二十一』ではさらなる高みに到達した実感を持てたのではないだろうか。それほど、ナム・ジュヒョクの繊細な感性がドラマの重要なシーンで発揮されていた。

 そんな2人を主人公に展開されていく『二十五、二十一』。韓国tvNで2月12日から放送されていて、日本でもNetflixで同時配信されている。