韓国ドラマ『赤い袖先』でイ・ジュノ(ジュノ/2PM)が演じた22代王・正祖(チョンジョ)。彼が心から愛した女性が、イ・セヨンの扮した宜嬪・成氏(ウィビン・ソンシ)である。
正祖は1780年に、二度目となる承恩(国王が意中の女性と一夜を共にすること)を宜嬪・成氏に命じている。しかし、今度も彼女は拒んだ。まだ子供を産んでいない孝懿(ヒョウィ)王后を気遣った配慮だった。宜嬪・成氏はそれほど孝懿王后を心から慕い、彼女を裏切ることはできないと覚悟を決めていた。
しかし、国王の後継者がまったくいないという危機感が王朝を揺るがすようになった。
■出会ってからずっと、王が心から愛した女性
正祖は1752年に生まれており、1780年の段階で28歳だった。30歳近くの国王に後継者がいないというのは深刻な事態だった。
そのことを見過ごすことができず、側室にならないままに宮女として宜嬪・成氏は正祖の子供を身ごもることになった。2人が出会って18年目のことだ。
しかし、結局は流産となってしまった。二度目のときも同じ結果だった。
二度の流産は正祖と宜嬪・成氏を悲痛にさせたが、三度目に吉報がもたらされた。1782年9月7日に王子が誕生したのである。
側室となった宜嬪・成氏は王子を大切に育てた。
1783年に宜嬪・成氏は正一品となった。文字通り、王宮にいる宮女の最高峰になったのだ。