「堂々たる貫禄」
彼女を表現するときに、この言葉が真っ先に浮かんだ。
キム・ヘスのことである。
輝かしい実績と表彰式での存在感を考えたら、まさに、韓国芸能界を代表するような女優がキム・ヘスではないだろうか。
彼女を強く意識したのは、ペ・ヨンジュンと共演した韓国ドラマ『愛の群像』(1999年)であった。
1970年生まれで、当時は29歳。10代から女優活動をしていた彼女にとって、演技力と輝きが際立っていた時期であり、すでにトップ女優としての貫禄を見せ始めていた。
以後の活躍は言うまでもないだろう。
特に、映画『10人の泥棒たち』(2012年)を取り上げたい。チョン・ジヒョンに「オンニ(姉さん)」と呼ばれる役を演じていたが、大女優2人の競演はハラハラするほどに刺激的だった。
そして今、50代を迎えているキム・ヘス。授賞式の会場で見せる神秘的な姿は若手女優を圧倒する貫禄を有している。
そんな彼女が最新作の『未成年裁判』で、強烈な個性の主人公に扮している。
演じるのは判事である。正式な肩書は地裁少年刑事合議部右陪席判事。
わかりやすく言えば、犯罪をおかした未成年を更生させるために審判を下す判事だ。
それなのに、キム・ヘスが扮するシム・ウンソクは、未成年がおかした犯罪を嫌悪している。
画像:インスタグラム「Netflix Korea(@netflixkr)」より