ウィ・ハジュン『シスターズ』『バッド・アンド・クレイジー

 ウィ・ハジュンも『イカゲーム』以降、快進撃を続ける「今年のブレイクスター」だ。1991年8月5日生まれで、『よくおごってくれる素敵なお姉さん』『ロマンスは別冊付録』などで着実にキャリアを積んできた。『シスターズ』ではキム・ゴウン扮する三姉妹の長女の協力者役に扮し、常にポーカーフェイスで、敵か味方か読めず、スリリングな物語の鍵を握る存在で注目を集めた。

『シスターズ』画像出典:tvN

 イ・ドンウク主演のアクションコメディ『バッド・アンド・クレイジー』では、ウィ・ハジュンは神出鬼没の破天荒な謎のヘルメット男を演じた。イ・ドンウク扮する私欲まみれのバッドな刑事とのバディぶりは痛快で、溌剌とした魅力を披露している。

 2023年にディズニープラス「スター」で配信されるチ・チャンウク主演作『ザ・ワースト・オブ・イーヴィル』では、チ・チャンウク演じる警察官と対峙する、地下犯罪の組織員に扮する。こちらもタフなアクションが見ものだ。

ジニョンGOT7)『ユミの細胞たち2』『悪魔判事

 若手スターのジニョン(GOT7)も今年、大いに注目を集めた。1994年9月22日生まれで、2014年にGOT7のメンバーとしてデビュー。また、『青い海の伝説』『愛するウンドン』では主人公の少年期を演じ、俳優としても目を惹く存在だった。純愛ロマンス『花様年華~君といた季節~』ではユ・ジテ演じる主人公の大学時代の恋物語を演じ、“みんなの初恋”と称された。

『花様年棒~君といた季節~』画像出典:tvN

 2022年、ジニョンはキム・ゴウン主演『ユミの細胞たち2』での理想の彼氏ぶりが評判になった。ジニョン扮するイケメンで有能で性格も良い同僚から告白された、ユミの細胞たちの盛り上がりが楽しい。

 いっぽうで、リーガルサスペンス『悪魔判事』では、チソン扮するダークヒーローの判事を監視する若き陪席判事役を演じた。正義感の強い誠実なキャラクターで、演技者として成長を続けるジニョンの姿が凛々しく感じられる。

 2023年2月10日に来日ファンミーティングも決定・チケット争奪戦になりそうだ。

ソン・ソック私の解放日誌

 最後に紹介するのはソン・ソック。ドラマと映画で大活躍して、韓国での人気は急上昇。「今年のブレイクスター」の代表と言えるだろう。

 ソン・ソックは1983年2月7日生まれ。シカゴ芸術大学で美術とドキュメンタリーを学んだ彼は、兵役を経て、カナダでアクションスクールに通い俳優の道へと進んだ。本格的なデビューは30代になってからだが、その後、映画やドラマに立て続けに出演。2022年のドラマ『私の解放日誌』ではソウル近郊の地方都市に暮らす3きょうだいの前に現れる謎の男、ク氏を独特の存在感と色気で演じた。

『私の解放日誌』は、イ・ソンギュンIU主演のヒューマンドラマ大傑作『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』のパク・ヘヨンが脚本、キム・ヘジャハン・ジミンナム・ジュヒョク出演の感動作『まぶしくて―私たちの輝く時間―』のキム・ソギュンが監督を手掛けたヒューマンドラマだ。

 訳ありで素性を隠しながら黙々と働くク氏が、次女ミジョン(キム・ジウォン)との交流でぽつぽつと語り出す様子から次第に目が離せなくなる。ク氏のぶっきらぼうな態度とふと笑んだときに見せるお茶目な表情のギャップ、その奥行きある不思議な魅力に沼落ちする人が続出。ミジョンがク氏に言った「私を崇めて」というセリフも大きな話題を集めた。

『私の解放日誌』画像出典:JTBC

 ソン・ソックは、マ・ドンソク主演・プロデュースのアクション映画『犯罪都市THE ROUND UP』では最強の悪役キャラとして出演、映画は韓国で観客動員1200万人を突破する超大ヒットした。同作は日本を始め、世界各国で公開されている。

 また、ディズニープラス「スター」で配信中の新作ドラマ『カジノ』では、映画界の大物俳優チェ・ミンシク扮する主人公を追う刑事役に扮して、渋い演技バトルを繰り広げている。2023年には出演作『D.P. -脱走兵追跡官-』のシーズン2の配信も控えていて、今後主演クラスの俳優としてさらに飛躍していくだろう。

「韓国ドラマ大賞 2022」では、このほかにも新人賞に当たるネクストブレイクスター賞、助演賞、脚本賞や演出賞、ベストカップル賞、ジャンル別作品賞など、様々な賞を選定。詳しい結果は、『韓国TVドラマガイド』103号で発表している。