韓国エンターテイメント・ナビゲーター・田代親世と、韓流エンタメ情報誌『韓国TVドラマガイド』チーフエディター・高橋尚子が、長年にわたる韓流知識と韓流愛をもとに、日々更新中のYouTubeチャンネル「ちかちゃんねる 韓流本舗」。
2022年の締めくくりを兼ね、この1年に観た韓国ドラマのなかで、誰もが認める“表のマイベスト”と、あまり取り上げられなかったけれど、どうしても推したい“裏のマイベスト”を発表!今回の〈後編〉では、2人の推しドラマ、“裏のマイベスト”&胸キュン“ロマンスベスト”作品を紹介する。
■実はこれも観てほしい!私たちの“裏の”マイベスト2022
★田代親世の裏ベスト
●『スノードロップ』
出演:チョン・ヘイン、ジス(BLACKPINK)※ディズニープラス「スター」で独占配信中
1987年、激化する民主化運動時代の韓国。女子大寮に飛び込んできた血まみれの青年スホ(チョン・ヘイン)と、厳しい監視下に隠れて彼を介抱する女子大生ヨンロ(ジス/BLACKPINK)の禁断の恋を描く。北朝鮮のスパイ、スホを演じたチョン・ヘインのストイックな愛にシビれる。全体的に抑えたトーンで切なさと緊張感に包まれてストーリーは展開するが、それが一層胸を締め付けて良い。
『愛の不時着』が南北ロマンスのファンタジーとすれば、こちらはリアル。ヒロインを真っ直ぐに演じたジスとチョン・ヘインの言葉には表せないが、眼差しや行動だけで感じられる愛に涙させられる。『社内お見合い』のメガネ秘書、キム・ミンギュがチョン・ヘインの同士である北朝鮮のスパイ役でこれまでにない冷酷なキャラクターを熱演。
●『サバイバー:60日間の大統領』
出演:チ・ジニ、ソン・ソック、ホ・ジュノ ※Netflixで独占配信中
2021年の作品だが、2022年のソン・ソックブレイクにともない鑑賞した作品。爆破テロという非常事態により大統領代行に急遽任じられた元大学教授の環境庁長官パク・ムジン(チ・ジニ)と、彼を補佐する秘書官たちの熱き戦いを描く。
米ドラマのリメイクだが、人間ドラマとして非常に優れた作り。チ・ジニ演じる学者肌の大統領代行の愚直なまでに揺るがぬ信念、それに反発しながらも次第に感化されていく秘書官チームの絆が胸アツ。ソン・ソックはシニカルだが有能で実は胸に熱いものをもつ秘書室長を演じる。
●『悪の心を読む者たち』
出演:キム・ナムギル、チン・ソンギュ ※2023年2月3日 DVD-BOX1発売、TSUTAYA先行レンタル
韓国初のプロファイラーとなった男の実録と、実際にあった連続殺人事件をモチーフに構成した本格サスペンス。キム・ナムギルが他者への共感力が高く、“プロファイリング”という職の才を見出される主人公ハヨンを抑制のきいた演技で見せ、観るものの心を引き込んでいく。
今のように“犯罪心理分析”というものが根付いていないなか 、犯人の心を読み解く作業に、試行錯誤し、自分の中に芽生えそうになる悪の心にもがく姿が真に迫る。彼を支える刑事チームの面々との関係性も濃密。世界観にマッチした音楽も良い。