日本で韓流ブームが巻き起こって約20年。このシリーズ連載では、韓流エンタメ情報誌『韓国TVドラマガイド』の表紙を華やかに彩った韓流スターたち1人ずつにスポットを当てて、時系列順に表紙画像と当時の取材インタビューや出演作を振り返っていきます。

 今回取り上げるのは、韓流エンタメ界で20代から活躍し、今も第一線で活躍し続けるトップ俳優、イ・ジュンギです。イ・ジュンギは『韓国TVドラマガイド』でも表紙最多登場(11回)を誇り、記念すべき100号の表紙も飾ってくれました。 

■14年前の表紙初登場号から記念の100号まで、イ・ジュンギ表紙号一挙掲載!

 イ・ジュンギが『韓国TVドラマガイド』の表紙に初登場したのは、遡ること14年前、2009年2月発売の21号でした。この号では、イ・ジュンギが「SBS演技大賞」の最優秀男優演技賞受賞を受賞した傑作時代劇『イルジメ〔一枝梅〕』について特集しています。

 イ・ジュンギは1982年4月17日生まれで、取材当時27歳。インタビューでは、「僕は大衆や観客を代表して何かをする人間じゃない。彼らによって(いい意味で)消費される人間であり、感動を提供する人間であり、同じ時代を生きるアーティストだと思っている」と語っていました。

 ソウルのスタジオで行われたこの時のインタビューは、役者としての信念など、かなりディープなところまでたっぷり伺ったのですが、どんな質問にも迷うことなく、明確な自分の考えを言葉にできるイ・ジュンギの聡明さに唸らされた記憶があります。

 その中でも、「台本をもらってから最初にすることは、すべての共演者・スタッフの名前を覚えること。皆に声をかけて飲みに行くこと」と語っていたのが印象的でした。作品は自分ひとりで作るものではなく、一緒に作ってくれる仲間がいて初めて現場は回る、という彼の役者としてのスタンスはこの頃すでに作られていました。

『韓国TVドラマガイド』(21)(2009年2月発売)

 イ・ジュンギの2回目の表紙登場は、2014年2月発売の51号でした。兵役を経て(2010年5月入隊、2012年除隊)、30代を迎え、大人の俳優として実力を確立させた時期です。この号では、イ・ジュンギが初の父親役を演じた『TWO WEEKS』(2013年)日本初放送と、アルバム『My Dear』発表に合わせた来日特集を組みました。

 同年8月発売の54の表紙を再び飾ったイ・ジュンギ。『TWO WEEKS』について、ロングインタビューを掲載しています。作品選びに慎重派のイ・ジュンギ。実は『TWO WEEKS』の主人公テサン役を引き受けるのにかなり悩んだとか。ですが、本作の脚本家ソ・ヒョンギョンの「あなたの代表作にしたい」という言葉に背中を押され、出演を決めたのだそう。

 インタビューでは、「無限の愛を胸に抱き続けていたことで、守るべき大切な人たちを思いやり、理解する心を学んだ(中略)。テサンが成長していく姿は、そのまま俳優イ・ジュンギが人として深まり、成熟していく姿になったと思う」と、演技を通して自らが成長したと語っています。  

 この『TWO WEEKS』で、イ・ジュンギは「APAN STAR AWARDS」で男性最優秀演技賞を受賞するなど、演技者として高い評価を受けました。

『韓国TVドラマガイド』(51)(2014年2月発売)
『韓国TVドラマガイド』(54)(2014年8月発売)