■映画『カンチョリ オカンがくれた明日』のユ・アイン演じる主人公は典型的な釜山男子

 もうひとつの映画が『カンチョリ オカンがくれた明日』(2013年)だ。

 重い腎臓病と認知症を患う母(キム・ヘスク)のために、魚船から氷や鮮魚を積み下ろす仕事をしている孝行息子チョル(ユ・アイン)。無愛想だが情に厚いところは、いかにも釜山男子だ。

 ユ・アインは高校生まで慶尚北道大邱にいたので、釜山弁(慶尚道弁)は不自然ではない。

漁船に氷を送り込む様子。『カンチョリ オカンがくれた明日』の主人公(ユ・アイン)もこんなふうに働いていた(チャガルチ市場で撮影)

 苛烈な物語に一陣の涼風を送る旅行者スジに扮したチョン・ユミは、じつは高校まで釜山で過ごした人だが、本作ではソウルアガシ(ソウルのお嬢さん)に扮しているので、釜山弁を聴くことはできない。

 もともと他の地域では女性の釜山弁のイントネーションは大変人気があるので、容姿端麗な彼女が愛嬌ある釜山弁を話す姿はさぞ魅力的だろう。

 読者さんからの情報によれば、ユン・ヨジョンイ・ソジン、チョン・ユミ、パク・ソジュンチェ・ウシク出演、ナ・ヨンソクPが手掛ける人気バラエティユンステイ』で、チョン・ユミの釜山訛りが聴けるらしいので、動画配信サービスで探してみてほしい。