『国際市場で逢いましょう』の冒頭、南浦洞のBIFF広場でくつろいでいる出稼ぎらしい外国人を、高校生グループが「生意気にコーヒーなんか飲みやがって」と、からかう場面がある。
外国人「自分の金でコーヒー買って飲んで何が悪い!?」
高校生「韓国語しゃべってるよ。ウケる~」
外国人「釜山に住んでいれば釜山人だ!」
高校生「ふざけやがって! よそ者のくせに」
それを見たドクス老人が高校生に食ってかかる。
ドクス「出稼ぎがコーヒー飲んだらいかんのか!」
自身が半島の北側から来たよそ者であり、ドイツやベトナムに出稼ぎに行って苦労したことがあるからこその言葉だろう。
外国人が発した「釜山に住んでいれば釜山人」のひと言。釜山とはそんな街なのだ。
韓国をあちこち旅した日本の知り合いがよく言っている。
「韓国旅行中、外国人だってことがわかると奇異の目で見る人もいるが、釜山ではそれが少ない。みんながどこかから来た人だからかな。日本も韓国も単一民族意識が強いけど、釜山人には人と人は違ってあたりまえっていう感覚が身についている気がする」
南北が分断されているため、日本同様、島国根性や排他主義が強いといわれる韓国人だが、釜山の人たちは例外なのかもしれない。