『冬のソナタ』は2002年1月から3月まで韓国KBSでオンエアされたドラマ。日本では1年遅れてNHK・BSで2003年4月から始まった。地上波の放送ではなかったが、NHKが驚くほどの反響があり、後に続く爆発的な韓流ブームの端緒になった。
それから20年。韓流はいくつかの盛衰を繰り返しながら、今は第4次と称されるブームで盛り上がり、今年(2023年)は「韓流20周年」の節目を迎えた。
この機会に、興奮の韓流20年を振り返って、忘れられないドラマとそのロケ地の話をしたいと考えている。1回目に取り上げるのは、『冬のソナタ』でよく知られた南怡島(ナミソム)である。
■韓流ブームを巻き起こした名作『冬のソナタ』の聖地、南怡島へ
南怡島は、ソウルから東60キロの場所にある。北漢江の中州にできた小さな島で、葉っぱのような形をしている。周囲は6キロ。浮世離れしている水辺の風景を楽しみながら、島を歩いて1周しても2時間もかからない。
ソウルから南怡島に行く場合は、鉄道で加平(カピョン)駅に行き、タクシーで10分足らずの船着場に出てから渡し船(約10分)に乗って行く。そうやってたどり着いた島は私にとってはまさに聖地。ここで人生がすっかり変わってしまった。
そんな個人的な事情は胸にしまっておき、この島の魅力だけを一気に述べてみよう。
覚えているだけで6回ほど南怡島に行ったが、いつも痛感したのは、「地形が残した自然美はこういう場所のことなのだろう」ということだった。
大河である漢江(ハンガン)の支流となる北漢江は水の流れがとても美しいし、その中州にポツンとある南怡島はどこにいても「水と緑のハーモニー」を実感することができる。