主人公サンスの父親は早くに亡くなっていて、母親のジョンイムはエステ店を営みながらサンスをエリート校に入れて、育て上げた。芯の強い母親に扮するソ・ジョンヨンは、『その年、私たちは』でもチェ・ウシク扮する主人公ウンの母親を演じていて、温かいまなざしが印象的だった。
そのエステ店に通う客の1人が裕福な家のマダム、ミソン(ユン・ユソン)。じつはミギョンの母親だが、物語の序盤では互いの子供たちの関係性は知らない。ミソンの夫でミギョンの父親である建築会社社長を演じるのはパク・ソングン。『私のIDはカンナム美人』でチャウヌ(ASTRO)の父親役など、多数のドラマの脇役を務める。
ヒロインのスヨンの両親は、港街の統営(トンヨン)から引っ越してきてソウルの銀行の支店の近くにクッパ店を開くが、この家族にも複雑な事情がある。母親を演じるパク・ミヒョンも『その年、私たちは』に出演していて、主人公ウンの親友ジウン(キム・ソンチョル)の母親を演じていた。父親役のパク・ユンヒは『二十五、二十一』でナム・ジュヒョク扮する主人公イジンの父親を演じている。
『愛と、利と』は、主人公たちの恋愛の行く末はもちろん最大の見どころだが、周囲の人々との関わりや社会背景の描き方など、単なるラブストーリーではない奥行きのある人間味あふれる物語になっている。彼らの人生に思いを馳せながら、物語の先の余韻まで楽しめる作品だ。