Netflixシリーズ『愛と、利と』が人気急上昇中だ。本作は、異なる利害を抱える人物たちが出会い、愛の意味を理解していくというリアルなラブストーリー。原作は小説『사랑의 이해(愛の理解)』で、韓国のドラマ原題も同タイトルだ。
物語の主な舞台はソウルにある銀行の支店。恋愛感情を抱きながら、自らの人生や境遇を考えて立ち止まってしまう男女たちの切ない苦悩を軸に、職場で起こる大小様々な問題、親子関係、友情、孤独、経済格差、学歴の壁、ソウルと地方の隔たり、公務員試験の厳しさなど、それぞれの登場人物が抱えるエピソードが絡み合う。
ここでは、これから観る人のために、登場人物を中心に見どころを紹介する。
■『愛と、利と』主人公役ユ・ヨンソク&ムン・ガヨン、脇役俳優にも注目!
『愛と、利と』の主人公、平凡な銀行員ハ・サンスを演じるのは、演技派俳優ユ・ヨンソクだ。
1984年4月11日生まれで、パク・チャヌク監督作『オールド・ボーイ』でユ・ジテの少年時代を演じ、スクリーンデビュー。恋愛映画『建築学概論』やソン・ジュンギ主演映画『私のオオカミ少年』の“憎々しい”悪役演技により強い印象を残した。
悪役のイメージを一新し、一途で柔らかな魅力を発揮したのが、人気シリーズ『応答せよ1994』の花形野球選手チルボン役。キム・ウンスク脚本の『ミスター・サンシャイン』では、冷血でありながら心に熱い想いを抱くカリスマ剣客ドンメ役で多くの女性視聴者を虜にし、見事な剣術アクションでタフさを体現した。
さらに、大ヒットドラマ『浪漫ドクター キム・サブ』、『応答せよ1994』のシン・ウォンホ監督による『賢い医師生活』でブレイクした。最近では、『ナルコの神』では麻薬組織の顧問弁護士役を演じるなど、個性的で癖のある役にも変身できるカメレオン俳優だ。
映画にドラマ、主演助演、善良な役から汚れ役までジャンルを問わずこなすうえ、ミュージカルでも実力を発揮していて、制作者にも重宝される存在といえるだろう。本作では、ハンスの心の奥の恋愛感情と現実世界との葛藤を、繊細な演技で静かに物憂げに演じている。
物語のヒロインで、サンスが思いを寄せる職場の同僚のアン・スヨンには、『女神降臨』のムン・ガヨンが扮している。1996年7月10日生まれの新世代女優で、ドイツ生まれの帰国子女。2006年、小学生のときに子役デビューした実力派だ。
ラブコメディ『女神降臨』ではチャウヌ(ASTRO)とファン・イニョプという2人の若手イケメンスターを相手にユニークで魅力的なヒロインを演じていた。『偉大な誘惑者』や『その男の記憶法』では、複雑な内面を持つキャラクターを表現し、高く評価された。
本作では、職場での学歴差別や家庭の事情を胸に秘める陰影あるキャラクターに扮し、新たな境地を築いている。