今年2023年、日本における韓流ブームは20周年を迎えます。長い歳月とともに韓流ブームも変遷してきました。
元祖“韓流四天王”といえば、ペ・ヨンジュン、イ・ビョンホン、ウォンビン、チャン・ドンゴン。続いての四天王には、クォン・サンウ、ソン・スンホン、ソ・ジソブの3人に、パク・ヨンハまたはイ・ドンゴン。2005年~2006年頃には、ヒョンビン、イ・ジュンギ、チュ・ジフンの3人に、カン・ジファンまたはカン・ドンウォンが“新四天王”と称されました。
2010年~2011年頃は、『美男<イケメン>ですね』の大ヒットにより、チャン・グンソクを中心にした“イケメン”ブームが到来。第2次韓流ブームのなかで、チャン・グンソクは日本でもTVや雑誌などのメディア、マッコリやチョコのCMに登場するなど、大人気スターとなります。
2014年~2015年頃、若手の“韓流新トップ3”として注目されたのが、イ・ジョンソク、チ・チャンウク、ソ・イングク。この3人にキム・スヒョンを加え、“新・韓流四天王”とも呼ばれました。
今回は、韓流ブームのなかでも特筆すべき大ブームを巻き起こした、唯一無二のイケメン、“花美男(コンミナム)”トップスターのチャン・グンソクをピックアップ。チャン・グンソクが『韓国TVドラマガイド』の表紙を飾ったバックナンバーを振り返るとともに、最新主演ドラマ『ミッキ(原題)』の見どころまで紹介します。
★チャン・グンソクProfile
1987年8月4日生まれ、身長182センチ。5歳の時に子供服のカタログモデルとして芸能界入り。2009年、イケメンバンドのリーダーを演じた韓国ドラマ『美男<イケメン>ですね』は韓国のみならず、日本やアジアで超大ブレイク。“花美男”のトップスターとして日本の第2次韓流ブームを牽引した。多忙な俳優業のかたわら、音楽活動も精力的にこなし、2011年に日本デビューを果たしている。約5年ぶりのドラマ復帰作『ミッキ(原題)』は、韓国の動画配信サービスCoupang Playにて1月からパート1(全6話)配信、4月7日からパート2(全6話)が配信予定。
■キラキラ輝く“イケメン”から、唯一無二の存在へ進化し続けるチャン・グンソク
チャン・グンソクが『韓国TVドラマガイド』の表紙に初登場したのは、韓流イケメンブームが巻き起こる2010年2月発売の27号でした。
子役として俳優デビュー後、様々なドラマに出演したチャン・グンソク。一途な初恋を貫く両班の若者を演じた史劇『ファン・ジニ』(2006年)で本格俳優として注目されると、ヒットメイカーのホン姉妹が脚本を手がけた『快刀ホン・ギルドン』(2008年)、音楽ドラマ『ベートーヴェン・ウィルス ~愛と情熱のシンフォニー~』(2008年)など、多様なキャラクターを演じて人気実力ともに若手トップスターとなりました。
そんなチャン・グンソクの魅力がすべて詰まったのが、ホン姉妹脚本の超大ヒット主演作『イケメン<美男>ですね』(2009年)です。
本作で日本でも注目度が急上昇中の時に行った取材でしたが、チャン・グンソク自身は決して浮かれることなく、しかし演技に対する熱い想いを語ってくれたことが印象的でした。そして、インタビューの締めくくりにはこんなふうに語っています。
「いつ何か起こっても、たとえ作品で失敗して人気が落ちても、冷静に受け止め、自分自身は変わらず平常心でいたい。まだ若いし、考え方もどんどん変化するかもしれない。でも、常に冷静な考えを持っていれば、もっと成長できて、多くの人たちにも出会えると思う。それに、僕は何かを決めたら、それを推し進めていく力はすごいんです。それは誰にも負けません」
当時まだ20代前半、大ヒット作の当たり役にも恵まれて順調にスター街道を突き進みながらも、チャン・グンソクは冷静に先を見据えていました。そんな彼の強い信念が、30代になって新境地のドラマに挑戦する原動力にもなっているのかもしれません。