■クレジットカードでキャッシングができないATMがある。その理由は?
しかし韓国にはATM問題がある。多くの国が、VisaやMasterといった国際クレジットカードのシールが貼ってある機械ならキャッシングができる。しかし韓国はそううまくいかない。キャッシングができないATMがかなりあるのだ。
韓国の仁川国際空港。荷物を受けとり、到着フロアーに出る。シムカードやタクシー予約などのブースが並んでいるフロアーだ。そこには銀行もあり、脇にはATMの機械がある。到着フロアーには、Woori Bank(中国人向きに友利という表記も)、KB Kookmin Bank、Shinhan Bankの支店がある。どこも韓国では大手銀行だ。その脇にあるATMにクレジットカードを入れる。案内に沿って進めていくと最後の段階に近づき、「カードが使用できない」という表示が出てしまう。再度、トライしてもだめ。別のATMを探し、カードを入れても、現金を引き出す前にカードが戻ってきてしまう。ウォンの現金の手持ちがないときはかなり焦ってくる。
「これは僕のカードの問題だろうか」
と首を捻る。僕の後でATMの前に立った欧米人もやはり引き出すことができない姿をよく目にする。困ったように周囲を見ている。僕のカードの問題ではなさそうな気がする。
困ってWoori Bankの窓口で訊いてみた。すると、
「ほかのATMで試してください」
とそっけない。
キャッシングが可能な機械を求めて空港内を歩きまわることになる。支店を出しているのは3行だから、おそらくATMも3行のものでは……と予測を立てるのだが、ATMの表記が韓国語なので区別がつきにくい。
5台、6台……とキャッシングの拒否に遭いつづけ、もう何台目か……といったときに、急に機械が発する音が変わる。そして進みはじめる。そしてカタカタと音が鳴って現金が出てきたときには胸をなでおろす。
「これで市内に向かうことができる」
思い返してみれば、コロナ禍前もそうだった。空港だけではなく、市内のATMでもうまくいかないことが多かった。
昨年12月から何回か韓国を訪ね、その都度、空港でキャッシングをした。そこでようやくわかってきた。
空港ではKB Kookmin BankのATMしかキャッシングができない。少なくとも、僕のクレジットカードでは、その結論に達した。
幸いなことに、KB Kookmin BankのATMには「KB」というアルファベット表示がある。その横にあるのが韓国語表記だが。知人に読んでもらうと、「国民銀行」と書かれているそうだ。
韓国の空港に着いたキャッシング派は、「KB」の表記があるATMを探すことだ。
次回は引きだし方を画面に沿って解説する。(つづく)