広寒楼苑は、韓国版「ロミオとジュリエット」といわれる小説「春香伝(チュニャンジョン)」の舞台となった場所でもある。南原府使の息子である夢龍(モンニョン)と美しい妓生(キーセン)の春香(チュニャン)との身分違いの恋物語だ。

 烏鵲橋の七夕伝説と「春香伝」の街である南原は、「恋の街」と呼ぶにふさわしい。

 広寒楼苑には春香の遺影を祀った春香祠堂と、「春香伝」にまつわる展示館である春香館もある。また、毎年旧暦の釈迦誕生日前後(毎年4月~5月)には「春香祭」が開催され、ミス春香を決定するコンテストも行われる。

「韓国版ロミオとジュリエット」といわれる「春香伝」のヒロイン春香

■『ミスター・サンシャイン』に登場した日本式駅舎

 広寒楼苑から北西へ車で20分の所にあるのが、旧・書道(ソド)駅。1932年に竣工した日本式の駅舎で2002年に新駅舎が建設されその役目を終えた。旧駅舎は竣工当時の佇まいのまま現在の地に移転・保存されている。

 イ・ビョンホンキム・テリ主演の『ミスター・サンシャイン』の撮影に使われたことで、近年大勢の観光客が訪れている。駅舎内にはエシン(キム・テリ)とドンメ(ユ・ヨンソク)が向き合うシーンなど、ドラマの写真パネルが展示してある。

『ミスター・サンシャイン』に登場した旧・書道駅は日本式駅舎