仁川国際空港の搭乗待合室で、壁にあるコンセントを探して歩きまわっていたことがある。10年以上前の話だ。そのときは中央アジアからの帰路で、仁川国際空港はトランジットだった。
あの頃、アジアの空港は、競うように無料Wi-Fiサービスをはじめていた。空港内の出発階にいれば、無料でネットにアクセスできるサービスだ。仁川国際空港はアジア一の空港をめざしていたから、当然、待合室でパソコンを開けば、すぐにネットとつながった。
そのとき、持参していたラップトップ型のパソコンは古く、バッテリーもかなり弱っていた。電源がない状態で立ちあげても、1、2分ほどでバッテリーの残量がなくなってしまう。常に電源につながないといけないパソコンだった。
飛行機に乗り込んだウズベキスタンのタシケントの空港はネット事情が悪かった。急ぎでメールをしなくてはならないことが何件かあった。
「仁川へ行けば……」
そう思いながら飛行機に乗った。仁川国際空港のトランジットは数時間あった。
急ぎ足で搭乗待合室へ。パソコンをとりだし、コンセントを探す。すぐにみつかったが、その穴は丸型だった。韓国はこの形状が多かった。日本のプラグはどうやっても差し込めない。
■韓国のコンセントは何タイプ? 変換プラグはもって行く必要がある?
海外に出ることが多いから、いつも変換プラグをもっていく。世界のコンセントはさまざなな形状がある。それに合わせてプラグを変換できる道具だ。日本では量販店、パスポートセンターの売店、空港などで売っている。
「変換プラグはどこだったっけ……」
その瞬間、天井を見あげるしかなかった。変換プラグは預けた荷物のなかだった。せっかく無料のWi-Fi電波が飛んでいるのに、プラグをコンセントに差し込むことができない。どこかに差し込めるコンセントはないかと空港内を歩いた。しかし当時の仁川国際空港のコンセントは、ことごとく丸い穴型だった。結局、仁川国際空港からメールを送ることができなかった。
いまはさまざまな形状のコンセントが用意されている空港になったが。
コンセントの形状──。その相談をたまに受ける。女性からはこんな内容が多い。
「ドライヤーをもっていきたいが、電圧とコンセント形状を確かめたくて……」
男性からはパソコンやスマホのコンセントの形状だろうか。
実はこの相談、意外と悩む。