■恐怖女王オム・ジウォン、不機嫌女王ユン・ジンソ

 以前このコラムで、キム・ゴウン主演ドラマ『シスターズ』の弁護士の妻役や、ホン・サンス監督作品『よく知りもしないくせに』の映画祭コーディネーター役を演じた女優オム・ジウォンを ”恐怖女王” としてクローズアップしたが、最近タイトルに惹かれて観たドラマで、安定の ”不機嫌女王” ぶりを見せるあの女優と再会した。Netflixシリーズ『模範家族』で主人公(チョンウ)の妻を演じたユン・ジンソだ。

 彼女が日本で最初に認識されたのは、パク・チャヌク監督の映画『オールド・ボーイ』だろう。主人公(チェ・ミンシク)が監禁された原因にからむ重要人物を二十歳の初々しいユン・ジンソが大胆に演じたのを覚えている人もいるだろう。

 その後、ムン・ソリ主演『愛してる、マルスンさん』やキム・ヘス主演『浮気日和』、ユン・ゲサンハ・ジョンウ主演『ビースティ・ボーイズ』などで助演を数多く経験する。

 不機嫌女王が確立されたのは、『オールド・ボーイ』の約10年後のチャン・リュル監督作品『慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ』。主人公ヒョン(パク・ヘイル)の元カノ役だ。

 中国から帰国したヒョンに呼び出され、ソウルから慶州までわざわざやってきたのに、ヒョンの前では終止不機嫌。しかし、仏頂面でも美人は美人。日本の人から見れば総じて感情の起伏が激しいキャラの多い韓流エンタメのなかでは、特異なポジションを手にした。