――作品コンセプトのなかに“青春”というキーワードを挙げていらっしゃいましたが、具体的にどういう要素が入っているのでしょうか?
まず、私は“青春”という言葉を考えると、心が揺れる感じというか、いろんな面においてまだ固まっておらず彷徨う時期だと思うんです。その時期をとても美しいと思うのですが、そんなまだ危うい青春時代に自分の欲望を叶えてくれる悪鬼がいたときに、若者たちはどう動き、どんな選択をするのか? ということを描きたかったんです。実際にいまの20代の若者に伝えたい話もたくさんあって。それを話してあげたいというか、聞かせたい話を盛り込んだ、という点で“青春”というキーワードを使いました。
――劇中には、若者たちも共感できるようなエピソードもたくさん含まれているのでしょうか?
そうですね……ご覧になった若い方たちが楽しく共感してくださるかどうかは分かりませんが、共感して欲しいと思って書いた部分はたくさんありますね。私たちの世代が歳を取ったからといってみな良い大人になったわけではないんですよね。なので若者たちが賢明な大人へと成長していく過程も描いていきたいと思いました。
――“青春”のなかには恋愛の要素も含まれると思いますが、キム・テリさんのロマンスを感じさせるエピソードを今後期待してもいいでしょうか?(笑)
私もそういうエピソードを盛り込もうと思ったのですが、しっかり入っているかどうか……(笑)。ロマンスを想像できるようなポイントはいくつか入っていますよ。
(インタビュー後編に続く)
●キム・ウニ脚本家Profile
1972年1月7日生まれ。元々はSBS芸能番組の補助作家として活動していたが、映画監督・脚本家のチャン・ハンジュンと結婚後、本格的にシナリオ作家を志す。脚本家デビューはイ・ビョンホン主演映画『夏物語』(2006年)。ドラマ脚本1作目となるシン・ハギュン主演『危機一髪!プンニョンマンション』(2010年)、2作目のパク・シニャン主演『サイン』は夫チャン監督と共同執筆した。
その後ソ・ジソブ主演『ファントム』(2012年)、パク・ユチョン主演『スリーデイズ~愛と正義~』(2014年)と連続ヒットを飛ばし、イ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジヌン主演『シグナル』(2016年)が大ヒット。同年の『百想芸術大賞』テレビ部門で作品賞、脚本賞、女性最優秀演技賞を受賞したほか、2018年には坂口健太郎主演で日本版リメイクも制作された。
2019年からはチュ・ジフン主演ドラマ『キングダム』シリーズがNetflixで世界配信され好評を得ている。今年4月に韓国公開され、久々に夫チャン監督がメガホンを取り、自身が脚本を手がけた青春コメディ映画『リバウンド』がスマッシュヒットとなった。
●配信情報
『悪鬼』
ディズニープラス スターにて独占配信中(全12話/毎週金・土に2話ずつ配信)
(C) STUDIO S. All rights reserved.
演出:イ・ジョンリム 『VIP-迷路の始まり-』、キム・ジェホン『花たちの戦い-宮廷残酷史-』 脚本:キム・ウニ 『キングダム』『シグナル』
出演:キム・テリ 『ミスター・サンシャイン』、『二十五、二十一』、オ・ジョンセ 『サイコだけど大丈夫』