■扶安特産のハマグリを使った絶品石窯ごはん
ここから郡内バスで30分ほどの格浦(キョッポ)バスターミナルへ移動。周辺には遠浅の海で獲れたハマグリやアサリ料理を食べさせる食堂が並ぶ。
何度か訪ねたことがあるペカプ食堂へ。平日の13時を回っていたが、店内は大賑わいだった。注文を受けてから炊き上げるハマグリの石窯ごはんがとても美味しいのだ。1人でも注文できることがありがたい。
20分ほど待って石窯ごはんが運ばれてきた。蓋を取ると、昆布と干しシイタケと共に炊きあげられたごはんからは、ハマグリの上品な香りが立ちのぼる。刻み海苔、サンチュ、スプラウトの入った器にあけ、よく混ぜてから好みでゴマの入った酢醤油ベースのヤンニョム(薬味だれ)を加える。
ふっくらとしたハマグリの旨味を楽しみながら、8種類のパンチャン(おかず)とともに提供されたアサリのスープを飲んでみると、とても優しい味わいだった。

■『生まれ変わってもよろしく』に登場した彩石江の洞窟
『生まれ変わってもよろしく』に登場した十字架型の洞窟がある彩石江(チェソッカン)は、この食堂から徒歩数分のところに位置する。
辺山半島の最西端に1.5キロメーターに亘り続く絶壁は、約7千万年前から海水の浸食を受けながら堆積したもので、まるで数万冊の本を積み上げたように見える。
彩石江の南部にはいくつもの海蝕洞窟が神秘的な姿を見せている。
ドラマのように洞窟内部から海を眺めるためには、干潮時刻に合わせて訪問する必要がある。あいにく私が訪ねた日の干潮時刻は18時55分。全州へ戻る最終バスが15時30分なので、実現するのが難しかった。それでも海が作り出した自然美を体感でき、大きな満足感を得られた。

●扶安へのアクセス
ソウル高速バスターミナルから扶安総合バスターミナルまで約2時間50分