シン・ヘソンアン・ボヒョン出演のNetflixシリーズ『生まれ変わってもよろしく』。第1話の冒頭シーンが印象的だ。傾いた十字架の形をした洞窟から海が見え、「私は前世をすべて覚えている」というパン・ジウム(シン・ヘソン)のことばにドラマへの期待が高まる。

 この神秘的な洞窟シーンが撮影された韓国南西部・扶安(プアン)を紹介しよう。

全羅北道・扶安の名刹で森林浴を楽しむ

 全羅北道中西部の辺山(ピョンサン)半島に位置する扶安は、一帯が国立公園に指定されている自然豊かなエリアだ。

 全羅北道の道庁所在地である全州から市外バスで約2時間の来蘇寺(ネソサ)に向かう。633年に創建された寺院で、一柱門から天王門にかけて700本ものモミの木林が続く。ひんやりとした林を散策し森林浴を楽しんでいると、その脇に群生する黄色い曼殊沙華がさらに心を癒してくれた。

 この寺の本殿にあたる大雄宝殿の外観は、宮殿や寺院などに施される丹青(タンチョン)が剥落し木材そのままの風合いになっている。その姿は、却って趣があり侘び寂びを感じさせる。また、蓮、牡丹、ヒマワリなどを模ったという扉の花紋様が精巧で美しく、強く惹き付けられる。

丹青が剥がれ落ちた来蘇寺の大雄宝殿は侘び寂びを感じることができる

 残暑の中の参拝だったため、猛烈に喉が渇いた。参道の入口にあるカフェに入り、扶安の特産品である桑の実のパッピンス(氷小豆)を食べた。甘酸っぱくジューシーな桑の実と小豆の甘みがバランスよく、香ばしいすりごまのトッピングも嬉しい。きめ細かいピンスで涼を取り、ようやく汗がひいた。

扶安の特産品である桑の実がトッピングされたパッピンス