Netflixで配信中の『無人島のディーバ』は、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の名演技で一世を風靡した女優パク・ウンビンの最新作として注目を集めている。

 物語の冒頭、離島で育ったソ・モクハ(イ・レ)は、父親のDVに耐えながらも、憧れのユン・ランジュ(キム・ヒョジン)のような歌手になりたいという夢を抱いている。

 モクハと同様に父親のDVに苦しむ同級生のチョン・ギホ(ムン・ウジン)の誘いで、島からの脱出を図ったモクハだが、不慮の事故で無人島に流れ着く。

 孤独な無人島生活を送ること15年、31歳になったモクハ(パク・ウンビン)は、島の清掃に来た兄弟カン・ボゴル(チェ・ジョンヒョプ)とカン・ウハク(チャ・ハギュン)により発見される。

 その後、ランジュに会いたいという夢を叶えるためソウルにやって来たモクハは、あるイベントに出演する彼女の応援に駆けつけて……というストーリーだ。

 パク・ウンビンの清涼感のある歌声と並外れた歌唱力も話題で、どのように本物のディーバ(歌姫)になっていくのか、物語の展開が楽しみだ。

■『無人島のディーバ』無人島のロケ地洛東江擎天島公園

 モクハが15年間の無人島生活を送ったピルジ島。撮影が行われたのは、韓国中東部にある慶尚北道尚州市の擎天島(キョンチョンソム)だ。

 市の東側を流れる洛東江(ナクトンガン)は、水源のある江原特別自治道・太白(テベク)から安東大邱を通り、釜山の西の海へと注ぐ韓国最長の大河だ。

 擎天島は、洛東江の川中に位置する約20万平方メートルの島で、川岸からは橋で連結されている。島全体が公園になっていて、春には菜の花が、秋にはコスモスが咲き誇り大勢の観光客で賑わう。16歳のモクハがオーディション用に、ギホに撮影してもらう映像に登場する菜の花畑もここで撮影された。

 川の畔には1606年に創建された道南書院がある。朝鮮王朝時代の儒学の学び舎であるとともに9名の高名な儒学者の位牌が祀られており、1676年に王から扁額を賜っている。

 儒学生たちの休憩や家族との面会の場として使われた静虚楼(チョンホル)という楼閣に上がると、洛東江や擎天島が一望できる。

洛東江の畔に建つ道南書院は、朝鮮王朝時代に王から扁額を賜った扁額書院
道南書院の静虚楼からは洛東江や擎天島が一望できる