冬のソナタ』を初めて見たのは2003年4月だった。そのときのワクワク感は一生の宝物だ。人生は夢中になれるもので決まる。そういう意味で、韓国ドラマは「生きる糧」になった。

 それから20年。その間に見たドラマの中で、自分を別世界に連れて行ってくれた作品は何だったのだろうか。心を震わせた「ベスト8」を選んでみた。

韓流ブーム20周年記念!韓国ドラマ史上、究極のマイベスト8

●『冬のソナタ』

 人生を変えた究極のベストワン。魅力的な俳優、凝りに凝ったストーリー、目が覚める映像美、心に響く音楽……ドラマが総合芸術であることを端的に示した傑作中の傑作だ。まだ見ていない人は本当に幸せだと思う。これからこのドラマに会えるときめきが待っているのだから。『冬のソナタ』のおかげで大嫌いな冬に愛着を持てるようになった。

『冬のソナタ』のロケ地となった龍平(ヨンピョン)スキー場(撮影/2004年1月)

●『春のワルツ

 ユン・ソクホ監督の四季シリーズの最終作品。冷静にドラマとしての出来を考えたら、「イマイチ」の評価が出るのも必然か。それにもかかわらず、愛着がハンパない。ヒロインとなったウニョンに対する没入と演じたハン・ヒョジュへの偏愛が重なって「忘れられないドラマ」になった。ロケ地となった青山島(チョンサンド)への旅も素敵な追憶になっている。

『春のワルツ』のロケ地となった青山島の菜の花畑(撮影/2007年4月)

●『応答せよ1997

「ドラマを作るセンス」というものが存在するなら、「笑える」「泣ける」「聴ける」「感服する」という四重奏になって最後まで胸に迫ってくる作品だった。主役コンビのソ・イングクチョン・ウンジ。歌唱力が抜群の2人が織りなす初恋の「ときめきストーリー」は、すでに青春からはるかに遠くなった我が身にたまらないノスタルジーを運んでくる。