イ・ドンウクとキム・ヘジュン主演のアクション話題作『殺し屋たちの店』(ディズニープラス スターにて全話独占配信中)では、終盤に、ソウル旧市街「世運商街(セウンサンガ)」周辺の零細工場街が登場する。
武器の闇取引の場、オンライン化される前の「殺し屋たちの店」のシーンだが、周辺の建物から世運商街ビル群の東側ブロックで撮影されたことがわかる。
この一帯は、これまでも、ソン・ジュンギ主演『ヴィンチェンツォ』や、ソン・ガンホ&カン・ドンウォン主演映画『義兄弟 SECRET REUNION』など、数多くの作品のロケ地となっている。
そこで、このエリアで撮影されたドラマや映画を振り返りながら、世運商街の南端(忠武路駅前)から北端(宗廟前)までを歩いてみよう。前編は、昔から日本人旅行者の利用が多いホテルPJ(旧・プンジョンホテル)辺りまで。(記事全2回のうち前編)
■世運商街、忠武路駅前から宗廟前まで約1キロの撮影地巡礼
明洞駅のひとつ隣りの忠武路駅前から宗廟前まで、南北に連なる世運商街(進陽商街ビル・新星商街ビル・ホテルPJ・三豊商街ビル・大林商街ビル・清渓商街ビル・世運商街ビルの総称)は、私と同じ1967年生まれ。かつては電子部品専門店と技術者が集まる場所だった。
1980年代後半、そのビルの機能の多くが他の地域に移ってからはただの古ぼけた雑居ビルとなり、ここで働いている人と買物に来る人以外には見向きもされなかった。
しかし、6~7年前から、年季の入ったビルの雰囲気を生かしたレトロモダンなカフェやレストランができたり、ビル群を結ぶ空中歩行路が完成したりして、旧市街散策が楽しめるスポットになっている。
南北約1.4キロに渡るビル群を連結した空中歩行路の旅を、明洞駅のひとつ隣りの忠武路駅前から始めよう。
この辺りは明洞、仁寺洞、鐘路3街、乙支路3街、広蔵市場、東大門市場など旧市街の観光スポットが徒歩圏で、しかも漢江の向こうの江南エリアへも地下鉄で10分なので、ソウル旅行を計画中なら忠武路駅近くのホテルを予約してもいいだろう。