■『ソウル・バイブス』でリアルにCG再現された1988年の忠武路駅前

 忠武路駅前を横切る退渓路では、ユ・アイン主演のNetflix映画『ソウル・バイブス』(2022年)の公道レースのスタートシーンが撮影された。時代設定が1988年なので、今の風景は一変しているが、駅1番出入口の前の高層ビルの中に入っている映画館「大韓劇場」が、かろうじて当時の面影をとどめている。

 大韓劇場の向かい側、忠武路駅8番出入口のすぐ右手にある進陽商街ビルから始まるビル群の左側(西側)壁面では、キム・ユンソク主演映画『10人の泥棒たち』(2012年)の迫力の銃撃戦が撮影された。

 物語の舞台は釜山の南浦駅7番出口近くの雑居ビル(釜山デパート)なのだが、壁面ワイヤーアクションや建物の内部のシーンはソウルで別撮りされたのだ。

退渓路の向こう側の右手のビルが大韓劇場。その手前が忠武路駅1番出入口。空中歩行路の南端(進陽商街ビル)から撮影
仁峴市場の南側入口から見た進陽商街ビル壁面
進陽商街ビルと新星商街ビルの西側の空中歩行路をホテルPJ方向に進む

 進陽商街ビルと新星商街ビルの空中歩行路を北進し、通りの向こうにホテルPJが見える辺りの雑居ビルでは、映画『義兄弟 SECRET REUNION』(2010年)のハイライトシーンが撮影された。

 当時は新星商街とホテルPJはまだ空中歩行路で結ばれていない。(後編につづく)

新星商街ビル北端からホテルPJを望む。左側(西側)が空中歩行路
ホテルPJに向かって左側の空中歩行路から振り返ると北方向に見える雑居ビルが『義兄弟』の銃撃シーン撮影場所
新星商街ビル(右)とホテルPJ(左)に挟まれたマルンネ路から見上げた空中歩行路