古代の三国時代を描いた『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』は、韓国の有名な昔話「ピョンガン王女と馬鹿のオンダル」をモチーフにして作られた壮大な歴史ドラマだ。
2月23日から、テレビ東京の韓流プレミアで地上波放送がスタートする本作。韓国では2021年2月から4月までKBSで放送されたが、序盤にはオンダルを演じた俳優の降板騒動があって暗雲が漂っていた。
それを救ったのが、代役をこなしたナ・イヌだった。彼は今、『私の夫と結婚して』の好演によって「時の人」になっているが、3年前にも大注目を浴びていたのだ。
■輝く2人!キム・ソヒョン&ナ・イヌ『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』見どころ紹介
『王女ピョンガン』のヒロイン、ピョンガン王女を演じたキム・ソヒョンは、第48回韓国放送大賞(韓国放送協会が主催)で、女性最優秀演技賞と人気賞を受けている。
実際、子役から大人の女優として成長したキム・ソヒョンの演技力は「神がかり」的な迫力を持っていた。彼女の存在感が強烈に生きた本作は、同大賞でドラマ部門の作品賞にも選ばれている。
ドラマの舞台は古代の高句麗(コグリョ)で、平原王(ピョンウォンワン/在位559~590年)の統治時代を描いている。
平原王はドラマの中では、情けない小心者になっている。しかし、歴史書の『三国史記』では「胆力があった」と称賛されている。そのあたりは、ドラマと史実で人物評価が異なっているようだ。
本作でキム・ソヒョンが演じるピョンガン王女は、常に過酷な運命に苦しめられていた。王妃であった母親を殺され、自分も記憶喪失になって刺客にまで転落してしまう。
そんな境遇なので、ピョンガン王女からは眉間のシワが消えなかった。その分、表情が引き締まり、常に精悍な姿を見せていたのだが……。
一方、ナ・イヌが演じるオンダルは柔らかい感性の持ち主だ。とても頼もしいナイスガイでもある。
しかし、歴史エピソードの「ピョンガン王女と馬鹿のオンダル」では、オンダルは実直な男であるだけで、周囲からは蔑まれていた。
彼は聡明なピョンガン王女の内助の功で大出世を果たしていくのだが、本当のオンダルは単純な馬鹿ではなく、むしろ優秀な男であった。そんな人物設定の本質を、『王女ピョンガン』も確実に受け継いでいる。