Netflix新作ドラマ『タッカンジョン』は、ひょんなことから「タッカンジョン」に変身してしまった娘を人間に戻そうと、父親と彼女に片思いしている男が奮闘するミステリーコメディだ。

 そんな荒唐無稽なストーリー以前に、タッカンジョンが何だかわからない人も日本には少なくないだろう。タッカンジョンとは何なのか?

水飴を使うためぬらっとしているのがタッカンジョンらしさ。写真は餅入り

■「タッカンジョン」はヤンニョムチキンの一種、ポイントは水飴

 まず、タッカンジョンとは食べ物で、フライドチキンの一種だ。

 タッカンジョンの「タッ」は「鶏」。「カンジョン」とは水飴などを使った伝統菓子のこと。ざっくり言うと、甘辛いソースに水飴をたっぷり使ったヤンニョムチキンである。レシピは店ごとに微妙に違うが、要は骨なしのフライドチキンを水飴を使った甘辛いコチュジャンソースでからめて煮つめたものだ。

 正直言うとタッカンジョンの定義やヤンニョムチキンとの違いは曖昧なのだが、これも我が国の “ケンチャナヨ精神” ということでご容赦いただきたい。

タッカンジョンのベースはふつうのフライドチキン
フライドチキンに水飴入りのヤンニョムソースをからめる

 トッピングとしてピーナッツなどのナッツ類を振りかけたり、ボリュームアップのためにトッポッキに使う餅を加えたりする。

 ごはんのおかずというよりは、市場屋台で買って食べるストリートフードであり、酒のつまみである。
 水飴は糖質もカロリーもたっぷり。レシピからもわかるように、美容と健康に神経を使う人には手が出にくい食べ物だが、疲れたときやストレスがたまったときなど、猛然と食べたくなることがある。

唐辛子やナッツがトッピングされたタッカンジョン