日本と韓国の間には多くのLCCが就航している。日系LCC3社、韓国系LCC6社。韓国のLCCの特徴のひとつは、日本の地方空港にも数多く就航していることだ。
昨年の12月、四国の高松からソウルまで、韓国のLCCであるエアソウルに乗った。
■韓国系LCCのエアソウル、高松~ソウル線の需要は?
エアソウルはアシアナ航空系のLCC。日本では、成田、関空、福岡以外に、高松と米子に乗り入れている。
日本の地方空港に乗り入れる韓国LCC。その運賃で悩むのは、その路線に乗るか、成田や関空などのターミナル空港にバスなどで向かい、ターミナル空港からの便を使うかという問題だ。
高松~ソウル線に就航するエアソウルも少し迷った。高松から高速バスに乗って関空に出て、そこからソウルに向かう方法と、高松から直接ソウルに向かうのではどちらが安い?
昨年の12月、運賃を調べると、高松からソウルまでの運賃と、関空からソウルまでの運賃はほぼ同額だった。時期や乗り入れる航空会社にもよるだろうが、同額なら高松発を選ぶ。当時、高松からバスで関空まで行こうとすると、直行便は運休で、神戸や大阪乗り換えになった。運賃は片道5000円ほど。所要時間は約4時間もかかってしまう。
しかしこういうことを考えるのは、日本人だからという気もする。高松空港でチュックインの列に並んでいたのは、大半が韓国の人たちだった。シニア層が目立つ。その間に挟まれるように日本人の若い女性客のふたり連れ……そんな感じなのだ。おそらく韓国人は8割近い。韓国系LCCは日本に向かう韓国人、日本から見ればインバウンド需要に支えられているのかもしれなかった。
それは日本人も同じだろう。韓国の釜山を訪ねようとする人は、釜山に就航する飛行機を選ぶ。まずソウルに行き、そこからバスで釜山に向かうという人は少数派だ。
韓国の人は日本に何回もやってくる人が多い。最初は東京、そして京都や大阪、その先に四国を選んだのかもしれない。以前、愛媛県の内子を訪ねたことがあった。江戸時代の街並みが残っている町でもある。大正時代の雰囲気の芝居小屋、内子座に行くと、そこは韓国人でいっぱいだった。韓国人ブロガーが紹介したのだろうか。日本でも知る人が多くはない町だが、韓国では知られているのかもしれない。
機内はほぼ満席だった。その日の高松はかなり寒く、暖かい機内で、すぐに寝入ってしまった。ソウルまで1時間40分。あっという間のフライトに思えてしまった。